“縛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しば35.5%
いまし20.5%
くく11.2%
ばく11.2%
から6.9%
いましめ3.4%
くゝ2.2%
いま2.0%
じば2.0%
しばら0.8%
がら0.6%
しばり0.4%
つな0.4%
ゆわ0.4%
しばっ0.2%
あげ0.2%
0.2%
0.2%
しょぴ0.2%
ちば0.2%
なわ0.2%
ふんじば0.2%
もつ0.2%
0.2%
ゆは0.2%
バク0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
柴井町の友次郎は、この八五郎が暫らく冷飯ひやめしを食つて居た、露月町の辰五郎棟梁をしばるかも知れません——とな。解つたか、ガラツ八
突棒つくぼう刺叉さすまたというようなものを押立てた同勢が、その中へ高手小手にいましめた一人の者を取押えながら、引き立てて来たのであります。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
頼朝は、後ろ手にくくられた手をしきりにもがいていた。解こうとするのではなく、手がきかないので、起ち上がれないためであった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
俊寛もまた、ばくをうけて、洛内らくないを引きまわされ、あらゆるはずかしめと、平氏の者のつばを浴びせられて、鬼界ヶ島へ流されてしまった——
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なにが無慈悲ぞ。女房を憐れと思うなら、しらをきるのはよすがいい。ええい面倒な、四の五をいわせず、引っからめろ」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「捕われるのですとも。縄が新しくなると、当分当りどころが違うから、いましめを感ぜないのだろうと、僕は思っているのです」
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
上役人かみやくにんの扱いに不服を唱えるとは不届千万ふとゞきせんばんな奴だと云って、その三人を庭のの枝にくゝり上げ、今日で三日半ほど日乾ひぼしにされて居ります
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
間もなく信一が猿轡やいましめを解いてやると、光子はふいと立ち上って、いきなり襖の外へ、廊下をばた/\と逃げて行った。
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
昨宵ゆんべあんまり寒いからと云って、山へ鹿を打ちにきまして、よう/\塩梅あんばいに一疋の小鹿を打って、ふんじばって鉄砲でかついで来ましたが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
するとつゞいてお姫様ひめさま玄関げんくわんまで追掛おつかけまゐられて、円朝わたくし喚留よびとめたがうもりゝ々しくツて、なんとなく身体からだちゞあがり、わたくししばられでもするかと思ひました。姫
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あきらめよう。のみ一匹にかかずらって、おれたち二人までが、祝家荘しゅくかそうのやつらに、がんじがらめの目に会わされては堪らない」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
耶蘇やそほど霊力れいりょくがあるなら、巳代吉の唖は屹度きっとなおる。年来ねんらい眼の前に日々此巳代吉にあらわるゝなぞを見ながら、かなしいかな不信ふしん軽薄けいはくの余には、其謎をき其舌のしばりを解く能力ちからが無い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
物置きにつないで置いたが、どんなに縄をむずかしく堅くしばって置いても、猿というものは不思議なもので必ずそれを解いて逃げ出しました。
声と一緒に一人の武士は鞍壺にゆわえた小男を一振り振って投げ出した。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
此方こっち流石さすがに生理学者で、動物を殺すに窒塞ちっそくさせればけはないと云うことをしって居る。幸いその牛屋は河岸端かしばたであるから、其処そこつれいって四足をしばって水に突込つっこぐ殺した。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
昨日の晩花川戸はなかわど寄席よせ娘浄瑠璃むすめじょうるりあげられる。それから今朝になって広小路ひろこうじ芸者屋げいしゃやで女髪結かみゆいが三人まで御用になりました。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
もとより無知な雑兵輩ぞうひょうばらである。わっとばかり寄りたかッて俊基の身に縄をけようとする。が、俊基はきびしい眉をいからせて、しりぞけた。断乎としてゆるさなかった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
心魂こころも今は空になり、其処そこ此処ここかと求食あさるほどに、小笹おざさ一叢ひとむら茂れる中に、ようやく見当る鼠の天麩羅てんぷら。得たりと飛び付きはんとすれば、忽ち発止ぱっしと物音して、その身のくびは物にめられぬ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
「瞞そうとまたたばかろうと目差す悪人をしょぴきさえすればそれで横目の役目は済む。卑怯呼ばわりは場違いだ!」
三甚内 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
多「じゃアうしても往くか、己此処まで来て敵もたずにあとへ引返すのか、なんだッて此の坊様はおっちばられて居たんだナア」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
周「これさ、仮令たとえ然るべき武士で何役を勤めたにもせよ、斯うやって悪事を共にすれば、なわに就いて処刑しおきになる時は同じ事だ、今日きょうに及んで無用の格式論、小納戸役がどう致した、馬鹿なつらを」
仙「番頭さん、オイおねげえだが縄を持って来ておくなせえ、ふんじばっちまうから」
申立けるこそをかしけれ扨さしも種々いろ/\樣々さま/″\もつれし公事くじ成りしが今日の一度にて取調べすみに相成口書の一だんまでに及びけり嗚呼あゝ善惡ぜんあく應報おうはういちじるしきはあざなへるなはの如しと先哲せんてつ言葉ことばむべなるかな村井長庵は三州藤川在岩井村に生立おひたち幼年えうねんの頃より心底こゝろざまあしく成長するにしたが惡行あくぎやう増長ぞうちやうして友達の勘次郎と云者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今しも庭前に刑せられんとする犠牲いけにえの男を眺めて居る妃の風情ふぜいと云い、鉄の鎖で四肢を銅柱へいつけられ、最後の運命を待ち構えつゝ、妃の前に頭をうなだれ、眼を閉じた男の顔色と云い
刺青 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
不圖、旅人は面白い事を考出して、そつと口元に笑を含んだ。紙屑を袂から出して、紙捻こよりを一本ふと、それで紙屑を犬の尾にゆはへつけた。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
日頃、総督ノ愛顧アイコレテ、トカク盗ミヲ働キ、ソノ贜品ゾウヒンヲ、自己ノ小僕部屋ニカクシオキ、十五日夜半モ又、夫人ノ深窓ヨリ金銀珠玉ヲ盗マントシテ、ツイニ衛兵ノ手ニバクサレタリ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)