『刺青（しせい）』

其れはまだ人々が「愚」と云う貴い徳を持って居て、世の中が今のように激しく軋み合わない時分であった。殿様や若旦那の長閑な顔が曇らぬように、御殿女中や華魁の笑いの種が盡きぬようにと、饒舌を売るお茶坊主だの幇間だのと云う職業が、立派に存在して行け …

著者	谷崎潤一郎
ジャンル	文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出	「新思潮」1910（明治43）年11月号
文字種別	新字新仮名
読書目安時間	約12分（500文字/分）
朗読目安時間	約20分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

縛（ゆ） 刺（ぼり） 戦（たゝかい） 霊（こゝろ） 微笑（ほゝえ） 刺（ほ） 浴（つか） 背（せなか） 快（こゝろよ） 捨（ちゃ） 藝妓（はおり） 労（いた） 屍骸（むくろ） 展（ひろ） 己（おのれ） 愚（おろか） 態（ざま） 此方（こっち） 訪（おとな） 閉（た） 頭（つむり） 一（ひ） 優（まさ） 凱歌（かちどき） 初（そ） 味（み） 啻（たゞ） 心（しん） 恍惚（うっとり） 悲惨（みじめ） 打（う） 挙（こぞ） 櫓声（ろごえ） 犠牲（いけにえ） 畫工（えかき） 痛（いて） 肢（あし） 苦痛（くるしみ） 認（したゝ） 踵（きびす） 饒舌（じょうぜつ） 似通（にかよ） 体（てい） 入墨（いれずみ） 具（そな） 刺青（ほりもの） 剣（つるぎ） 午（ひる） 口惜（くや） 嘸（さぞ） 土州（としゅう） 埃及（エジプト） 天稟（てんぴん） 奴平（やつへい） 妙相（みょうそう） 娘（こ） 孕（はら） 寵妃（ちょうひ） 寸分（すんぶん） 平清（ひらせい） 弄（もてあそ） 形象（かたち） 彩（いろど） 後生（ごしょう） 快（こころよ） 憧（あこが） 拇指（おやゆび） 擡（もた） 擱（お） 斃（たお） 方（かた） 末喜（ばっき） 朱刺（しゅぼり） 業（わざ） 永年（ながねん） 河船（かわふね） 渡世（とせい） 滲（にじ） 甍（いらか） 疼（うず） 空虚（うつろ） 突（つ） 突俯（つッぷ） 紂王（ちゅうおう） 経（た） 絖地（ぬめじ） 罪（つみ） 羅綾（らりょう） 肥料（こやし） 背（そむ） 色町（いろまち） 色里（いろざと） 華魁（おいらん） 蟠（わだかま） 蠕動（ぜんどう） 裳裾（もすそ） 襦袢（じゅばん） 財（たから） 購（あがな） 身内（みうち）

題名が同じ作品

刺青 （新字新仮名）／ 富田常雄 （著）