“空虚”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
うつろ49.3%
から20.3%
くうきょ10.8%
からっぽ6.1%
からつぽ5.4%
くうきよ4.1%
からあき1.4%
うゐ0.7%
がらんどう0.7%
むなしさ0.7%
(他:1)0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“空虚”を含む作品のジャンル比率
文学 > 英米文学 > 小説 物語11.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.8%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行0.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
と、笑ったが、両方とも空虚うつろだった。そして、さっきから互いにいわせようとしていることが、どっちの口からも出なかった。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、初めたが、碁のあいだに、おたがい感じあっていた寂寥せきりょう空虚うつろが、やはり、膳にも、杯の中にもあった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五合樽ごんごうだる空虚からと見えるのを、の皮をなわがわりにしてくくしつけて、それをかついで
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
病気はよくなったのですが、もう私には世の中がすっかり空虚からになったようで、ただ生きておるというばかりでした。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
国家という語は、ケルゼンのいうごとく、「最も空虚くうきょな言葉が最も便利な言葉」ということの、代表的な一例である。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
壮太郎氏は大きな声で笑うのでした。でも、その笑い声には、何かしら空虚くうきょな、からいばりみたいなひびきがまじっていました。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
渋谷しぶやの美術村は、昼は空虚からっぽだが、夜になるとこうやってみんな暖炉ストーブ物語を始めているようなわけだ。
不吉の音と学士会院の鐘 (新字新仮名) / 岩村透(著)
愚痴を並べ、苦情を云っていられるうちは、貧乏の部には入らないという、そのほんとの「空虚からっぽ」が来たのである。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
その間に渠の頭脳は、表面うはつつらだけ益々苛立つて来て、底の底の方が段々空虚からつぽになつて来る様な気分になつた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
しかし木山は無表情だつた。晴代は変だと思つて、起ちあがつて函を卸して見たが、中は空虚からつぽになつてゐた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
だけど、子供こどもなんからないなどゝ仰言おつしやるのは、えうするに空虚くうきよ言葉ことばにちがひありません。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
英國イングランドを離れる事は、愛するが、しかし空虚くうきよな國を離れることだ——ロチスターさまは此處にはゐらつしやらないのだから。
と怒りのあまりに家の内を空虚からあきとなし、下女とともに中川家の前におもむきてひそかに中の様子を窺う。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
十一月も深い夜の事だ。外套がいとうを着て、彼等夫妻は家を空虚からあきにして出かけた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
いづちやるも空虚うゐのみ
砂上の低唱 (新字旧仮名) / 漢那浪笛(著)
Kの室は空虚がらんどうでしたけれども、火鉢には継ぎたての火が暖かそうに燃えていました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
歩いて行く先々さきざきにぷつんと杜切れる虫の音は、その突然の空虚むなしさで凡太の心をおびやかして、その激しい無音状態がむしろうるさく堪えがたい饒舌に思はれてくる、なぜかと言へば自分自身の精神が湧く波の如く饒舌なものになりはぢめるから。
黒谷村 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
二歳ふたつ年齡としから十六歳じふろくになるまで何度見たか知れないこの海を、わたしは畢竟ウヂケデ空虚ボヤラと見て居たのだ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)