“放”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はな38.3%
ほう12.0%
11.2%
10.1%
ぱな8.6%
はふ4.0%
1.9%
1.5%
1.2%
1.0%
0.9%
0.9%
ばな0.7%
0.7%
0.5%
0.5%
0.3%
0.3%
ほお0.3%
ゆる0.3%
はう0.3%
ぱなし0.3%
ほか0.3%
ほっ0.3%
0.2%
さか0.2%
0.2%
なは0.2%
なら0.2%
はず0.2%
はづ0.2%
はなし0.2%
はなっ0.2%
はぶ0.2%
ひら0.2%
0.2%
ほしいま0.2%
ほしいまま0.2%
ほしいまゝ0.2%
ほつ0.2%
やり0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吉坊よしぼうは、両手りょうてあたまうえにのせて、きよちゃんがあちらへゆけば、そのほう見送みおくり、こちらへくればまたはなさずに、むかえていました。
父親と自転車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
湯呑みは、長い間使わずにほうってある。すると、女中のオノリイヌが、その中へ、ランプの金具をみがく赤いみがき砂をれてしまった。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
「だから、はじめから、言ってるじゃねえか。説教なんか、まっぴらだって言ったじゃないか。って置いてくれたっていいんだ。」
乞食学生 (新字新仮名) / 太宰治(著)
箸を持ったまま、見ていると、火のついた薪を持って走った一人は、薪倉の中へはいって山と積んであるそこの柴へ火をけ始めた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見込み「けつぱなしてだれも居ねえのか、この開帳で人の出るのに」とかます烟草入たばこいれ真鍮しんちゅう煙管きせるを出し「何だ火もねえや」といひ
いまうらまはつてたら、この文庫ぶんこちてゐて、なか這入はいつてゐた手紙てがみなんぞが、無茶苦茶むちやくちやはふしてあつた。御負おまけ御馳走ごちそうまでいてつた
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「お綱さんとやら、逃げる出口が見つかったら、いいと、声をかけて下さいましね、すぐに火をけて、私もそこへ行きますから」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かく山に生じているものはその花が余り派手やかではないが、諸州にあって里に栽えられてあるものにはすこぶる美花をらくのがある。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
前岸かわむこうの巨木からさがった鉄鎖てつさのような藤葛ふじかずらが流れの上に垂れて、そのはしが水のいきおいで下流になびき、またね返って下流に靡いているのが見えた。
仙術修業 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
もうめるかと思ったら最後にぽんとうしろへげてその上へっさりと尻餅を突いた。「君大丈夫かい」と主人さえ懸念けねんらしい顔をする。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
波邇賦はにふに到りまして、難波の宮を見けたまひしかば、その火なほえたり。ここにまた歌よみしたまひしく
「成程、これは拳銃の弾だ、それでは、お嬢さんの仰有る通り、何者か外からこの室を眼がけて拳銃をったに相違ない。それでは一応、庭の方を……」
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
貴様は酒が嗜きだと云う処から初めてわしが来て馳走に成りばなしでは済まんから、少し譲り難い物をろうか、是は容易に得難い酩酒で有る、いずれで出来るか其処そこは聞かんが
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
我慢しようと思いましたがつい泣いたでがんす、何うも飛んだ間違いに成りました、これ嘉十、もう鎌なんざアぶっってしまえ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
留守をつとめていた腹心の早川主膳には、主人が何で鎌倉のご不興をこうむったのか、心外でならないらしく、いまも、道誉が昼酒にうつっているその席で
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
殊にすせり媛のは、衣を解きける様を、志都歌返歌は、禊ぎの瀬を求める風を、最後のは、禊ぎと竹と楽器との関係を述べる古詞から出た事を見せてゐる。
万葉集研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ふたたびかしこに行きて念比ねんごろにとぶらひ給へとて、杖をきてさきに立ち、相ともにつかのまへにして声をげて嘆きつつも、其の夜はそこに念仏して明かしける。
ち込んだというものでしょう。ほんとに家中の皆様が其音を聞かれたというのなら……
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
おきん さあ、皆して、ほおり込んでしまえ! これからは、粟の飯ももったいないや。水だけでたくさんじゃ。
義民甚兵衛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
七八ゆるせば妖魔えうまとなり、七九収むるとき八〇仏果ぶつくわを得るとは、此の法師が八一ためしなりける。
私は勘忍強いお相手になつておとなしくしずまつてはゐなかつたでせう。あなたに仕事の分前を割當てゝ、それを完成するやうに強制し、さもなければ未完成のまゝはうつておいたでせう。
千代子は「おおいやだ」とぱなしにして、さっさとまた並等なみとうを通り抜けた。宵子よいこかまは上等の一号というので、扉の上に紫の幕が張ってあった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
神職 棚村、見苦しい、森の中へほかし込め。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひっくり返った俥の横へ行くと自転車が一台ラムネ屋の屋体の下に横倒しにほっぽり出されていて、夏羽織姿のおばあさんは俥夫と衝突したどこかの小僧とに扶けられてもう地面に立っていた。
突堤 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「うむ。長かったのう。あの歌をば聞きおるうちに俺あ、悲あしゅう、情のうなった。この間死んだかかあが、真夜中になると眠ったなりにアゲナ調子で長い長い屁をばきよったが」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「磯の埼ぎたみゆけば近江あふみ八十やそみなとたづさはに鳴く」(巻三・二七三)、「吾が船は比良ひらの湊に榜ぎてむ沖へなさかりさふけにけり」(同・二七四)がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
女郎じょうろを買って銭が欲しい所から泥坊に成る者も有るからのう婆様ばあさま、と云われるたびに胸が痛くていっん出さないば宜かったと思ってなア
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
勿體もつたいないが、ぞく上潮あげしほから引上ひきあげたやうな十錢紙幣じつせんしへい蟇口がまぐち濕々じめ/\して、かね威光ゐくわうより、かびにほひなはつたをりから、當番たうばん幹事かんじけつして剩錢つりせん持出もちださず、會員くわいゐん各自かくじ九九九くうくうくうつぶそろへて
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其後そののち田常でんじやう簡公かんこうころすにおよんで、ことごと高子かうし國子こくしぞくほろぼす。じやう曾孫そうそんいたりて(三三)自立じりふし、いんせい威王ゐわうる。へいもちおこなふ、おほい穰苴じやうしよはふ(三四)ならへり。
総領女は起きて入口の方へ往ったが、どうも其の詞の調子が母と違っているように思われるので、戸の懸金をはずしかけてまた聞いた。
白い花赤い茎 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
私の声が調子はづれに大きかつたので、青野はあかくなつて、はにかんでしまつた。
競馬の日 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
一生懸命に振放そうとする、放させまいとする、暫時争ッていると、縁側に足音がする、それを聞くと、昇は我からお勢の手をはなして大笑に笑い出した。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
軍艦をもって脱走する者もあり、策士論客は将軍に謁して一戦の奮発を促がし、諫争かんそうきょく、声をはなって号泣するなんぞは、如何いかにもエライ有様ありさまで、忠臣義士の共進会であったが
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
これは庭園にえられてある常緑の花木で衆花既に凋謝ちょうしゃした深秋の候美花をひらくからすこぶる人々に愛好せられている。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
宋以来支那に跋扈ばっこする五通神は、馬豚等の畜生が男に化けて降り来り、ほしいままに飲食をむさぼり妻女を辱しむる由(『聊斎志異』四)、これは濫行の悪漢秘密講を結び
しこうしてまた自から詫びて曰く、「挙世一士無し、吾にほしいままにせしむ第一流」と。マヂニー曰く、「余は活動を喚起する喇叭らっぱのみ、汝もし余が勢力を減殺げんさいせんと欲せは、なんみずから活動せざる」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
生じ易きは魔の縁なり、おもひほしいまゝにすれば直におこり、念を正しうするも猶起らんとす。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
二月から入監はいつて、まだ一度か二度法廷に引つ張り出されたつきり、まだ刑も極らず、ほつたらかしにされて居るのである。飽き飽きするのも無理もない。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
十日ばかりさきに一〇七かなしきつまうしなひたるが、一〇八世に残りてたのみなく侍れば、ここに詣づることをこそ一〇九やりにものし侍るなれ。御許おもとにも一一〇さこそましますなるべし。女いふ。
屁をつて可笑しくもない独り者といふ川柳があるが、その独り者は読書と思索とを知らなかつたのだらうと思ふ、——とにもかくにも一室一燈一人はありがたいことである。
行乞記:01 (一) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
バナりおこしたる円座かな
松本たかし句集 (新字旧仮名) / 松本たかし(著)