“はず”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハズ
語句割合
筈35.5%
外25.7%
弾8.7%
端5.2%
機3.9%
羞3.0%
彈2.9%
脱2.5%
恥2.2%
辱1.7%
逸1.2%
喘1.1%
耻1.0%
奮0.9%
発奮0.7%
愧0.7%
幡豆0.4%
葉摺0.4%
勢0.4%
除0.3%
跳0.3%
興0.2%
奮発0.1%
下0.1%
乘勢0.1%
反0.1%
垠0.1%
奢0.1%
弭0.1%
慙0.1%
手筈0.1%
撥0.1%
放0.1%
滑0.1%
理0.1%
理由0.1%
発喘0.1%
發奮0.1%
釈0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
固(もと)より纏(まとま)った話の筋を読ませる普通の小説ではないから、どこで切って一冊としても興味の上に於(おい)て左(さ)したる影響のあろう筈(はず)がない。
われわれの教室は本館の一番北の外(はず)れの、今食堂になっている、あそこにありました。文科の教室で。それが明治二十二年位でした。
模倣と独立 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
蝶子さん、だが、弓も張り拡げたまゝでは、ついに弛(ゆる)みが来てしまいます。手鞠(てまり)もつき続けていれば、しまいには弾(はず)まなくなります。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ちょうどその夜は、小雨でもあったので、長兵衛は、蓑(みの)、笠(かさ)にすがたを包み、城下端(はず)れのなまず橋を西へ、高台寺道(こうだいじみち)をいそぎかけた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だから、その時何かの機(はず)みで腹を押したとすれば、その操作で無意識状態に陥るという、シャルコーの実験を信じたくなるじゃないか
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
先方の心の休まるように書いた方が宜かろうと、羞(はず)かしそうに筆を執りまして、大藏が教ゆる通りの文面をすら/\書いてやりました。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私はもう往來を輕(かろ)やかな昂奮に彈(はず)んで、一種誇(ほこ)りかな氣持さへ感じながら、美的裝束をして街を濶歩した詩人のことなど思ひ浮べては歩いてゐた。
檸檬 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)
腰から鞘(さや)を脱(はず)して、刀をおさめると、それを頭のうしろに当てて、深喜は仰向けに寝ころんだ。そうして、彼は、ながいこと泣いていた。
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
俊寛もまた、縛(ばく)をうけて、洛内(らくない)を引きまわされ、あらゆる恥(はず)かしめと、平氏の者の唾(つば)を浴びせられて、鬼界ヶ島へ流されてしまった——
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういう言葉を辱(はず)かしめでないと否定するためには、姉いもうとの近しさとか、親しい劬(いたわ)りという感情につかまらなくてはならなかった。
日本婦道記:風鈴 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「危ねい! 往来の真ン中を彷徨(うろうろ)してやがって……」とせいせい息を逸(はず)ませながら立止って怒鳴り付けたのは、目の怕(こわ)い車夫であった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
窓の外で聞いている私でさえも真偽の程を疑わずにはいられない事実……眼を睜(みは)り、息を喘(はず)ませずにはいられない恐ろしい大変事を
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
馬鹿らしい。なんだって己はこの人達の跡にくっついて歩いているのだろう。なぜ耻(はず)かしいなんぞという気を持っているのだろう。
鴉 (新字新仮名) / ウィルヘルム・シュミットボン(著)
「滅多に手応えが無いんだそうで、——もっとも返事も貰ってくれたら、一分位は奮(はず)んでもいいというのもありますがね」
……いや、愚に返った事は——もし踊があれなりに続いて、下り坂を発奮(はず)むと、町の真中(まんなか)へ舞出して、漁師町の棟を飛んで、海へころげて落ちたろう。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いや、真(ほん)の掘っ建て小屋でお愧(はず)かしいんですが、周囲丈けは自慢です。何(いず)れ落成の上は一日御来遊を願います」
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
四極(しはつ)山、笠縫(かさぬい)島は参河(みかわ)という説と摂津という説とあるが、今は仮りに契沖以来の、参河国幡豆(はず)郡磯泊(之波止(シハト))説に従って味うこととする。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そして耳を澄ませば、どこからともなくサヤサヤと風に戦(そよ)ぐ葉摺(はず)れの音がかすかに伝わってくるような気持であった。しかもよほど心気が疲れていたのであろう。
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
どういう勢(はず)みか、母の眼を偸(ぬす)んで二十銭銀貨を一枚ゴマ化した。そして、それの隠し場所に窮したあげく、着物の上ゲの縫目に捻(ね)じこんで澄ましていた。
折々隠袋から金縁(きんぶち)の眼鏡(めがね)を出して、手に持った摺物(すりもの)を読んで見る彼は、その眼鏡を除(はず)さずに遠い舞台を平気で眺めていた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
自分の嫌ひな人間に対して頗る無愛想であるが、こゝろを許した友に対しては話はなか/\跳(はず)む方であるから、三人は火鉢を前にして、冬の夜の寒さを忘れるまでに語りつゞけた。
魚妖 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
そうして花を引いても気の興(はず)むということがなかった。やがて母親の巾着から捲き揚げた小銭をそこへ投(ほう)り出して、叔母は張りが抜けたように、札を引き散らかした。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
茶代を奮発(はず)んで、頼むと言った。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
祗園(ぎおん)の祭には青簾(あおすだれ)を懸けては下(はず)し、土用の丑(うし)の鰻(うなぎ)も盆の勘定となって、地獄の釜の蓋(ふた)の開くかと思えば、直(じき)に仏の花も捨て、それに赤痢の流行で芝居の太鼓も廻りません。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
『私(わたし)は些(ちつ)とも知(し)りませんでした』と丁寧(ていねい)に云(い)つて、愛(あい)ちやんは談話(はなし)の乘勢(はず)んで來(き)たのを大層(たいそう)喜(よろこ)びました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
お母さんの鏡を壊したが、此(これ)は真(ほん)の過失(あやまち)である。乃公と忠公と室(へや)の中でボールをして遊んだ。ボールが能(よ)く反(はず)まないから、お春さんのゴム靴を削ってくっ付けた。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
旅館は新宿のカフエ街の垠(はず)れの細かい小路にあったが、いつか一度泊まったこともあるので、すぐ円タクを手前まで乗りつけることができたが、車をおりて前まで歩いて行くと
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そこで十両と奢(はず)んでやって喜ばせた上、後から追っ駆けて細引で締め殺した、が、細引から足がつくといけないと思って、改めてお新の荷物から真田紐を捜して来てそれを首に巻きつけ
その声に、維盛は気を取直し、幼い者の手を優しく離すとひらりと馬にまたがったが、不図思い返し、弓の弭(はず)で御簾(みす)をかきあげた。
それから僕は内心すこぶる慙(はず)かしく思ったから、今度は大いに熱心になって画(か)きだしたが、ほぼできたから巻煙草(まきたばこ)を出して吸い初めたら、それまで老爺(おやじ)さん黙って見ていたが、何と思ったか
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
イヤイヤ一度(ど)は逢(あ)わせることに、先方(むこう)の指導霊(しどうれい)とも手筈(はず)をきめて置(お)いてある。良人(おっと)と逢(あ)った位(くらい)のことで、すぐ後戻(あともど)りするような修行(しゅぎょう)なら、まだとても本物(ほんもの)とは言(い)われぬ。
鍛練した目的はちがっていたが、こういう困苦に向って、彼の引き緊(しま)った肢体(したい)はいよいよ撥(はず)んでいるようであった。享(う)けついだ血と、思い定めた一旦(いったん)の意志が烱光(けいこう)を放つのだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
総領女は起きて入口の方へ往ったが、どうも其の詞の調子が母と違っているように思われるので、戸の懸金を放(はず)しかけてまた聞いた。
白い花赤い茎 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
御物語も深くなるにつけ、昨日の御心配も、明日の御煩悶(わずらい)も、すっかり忘れて御了いなすって、御二人の口唇(くちびる)には香油(においあぶら)を塗りましたよう、それからそれへと御話が滑(はず)みました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
人が難(わけ)のない事を(眠っていても出来る)と言うが、その船頭は全くそれなのだ。よく聞いて見ると、その理(はず)さ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
斯様な境涯に身を置く人に同情があるならば、私は何(ど)の女に向っても、同じことを言う理由(はず)だが、私は其の女にだけそれを言った。そう言うと、女は指を私に任せながら、黙って聞いていた。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「ふん、」と返事(へんじ)を呑込(のみこ)んだが、まだ其(そ)の息(いき)は発喘(はず)むのであつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
獲(え)もの袋(ぶくろ)が重(おも)さうに、然(しか)も發奮(はず)んで搖(ゆ)れた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
お雪は襷を釈(はず)した。張物もそこそこにして、正太の細君を迎えた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)