“祗園”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぎおん66.7%
ぎをん33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
熱いうちにも寂しい感じのする百日紅さるすべりの花が咲く頃と成った。やがて、亡くなった子供の新盆あらぼん、小諸の方ではまた祗園ぎおんの祭の来る時節である。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
祗園ぎおんの祭には青簾あおすだれを懸けてははずし、土用のうしうなぎも盆の勘定となって、地獄の釜のふたの開くかと思えば、じきに仏の花も捨て、それに赤痢の流行で芝居の太鼓も廻りません。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
なんなら祗園ぎをんのまん中にでも、光悦くわうえつ蒔絵まきゑにあるやうな太いやつが二三本、玉立ぎよくりつしてゐてくれたら、猶更なほさら以て結構だと思ふ。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
と思ふと、忽ち又町になる。殊に今云つた建仁寺けんにんじの竹藪の如きは、そののち祗園ぎをんを通りぬける度に、必ず棒喝ぼうかつの如く自分の眼前へとび出して来たものである。……
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)