“蒔絵”のいろいろな読み方と例文
旧字:蒔繪
読み方割合
まきえ94.9%
まきゑ5.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かの女は、良人にもだれにも冒(おか)させない塗籠(ぬりごめ)の一室をもち、起きれば、蒔絵(まきえ)の櫛笥(くしげ)や鏡台をひらき、暮れれば、湯殿(ゆどの)ではだをみがく。
蒔絵(まきえ)の所々禿げた朱塗りの衣桁(いこう)に寄りかかって、今しがた婆やに爪を剪(き)って貰(もら)った指の先きを紅の落ちない様にそっと唇に当て乍ら
かやの生立 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
平中はわなわな震へる手に、ふはりと筐の上へかけた、香染(かうぞめ)の薄物を掲げて見た。筐は意外にも精巧を極めた、まだ真新しい蒔絵(まきゑ)である。
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
枕許(まくらもと)の、矢張(やは)り其(そ)の棚(たな)にのつた、六角形(かくがた)の、蒔絵(まきゑ)の手筐(てばこ)をお開(あ)けなすつたんですよ。然(さ)うすると、……あのお薬包(くすりつゝみ)と、かあいらしい爪取剪(つめとりはさみ)が一具(ひとつ)と、……
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)