“香染”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうぞめ60.0%
かうそめ20.0%
かうぞめ10.0%
こうぞ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「うむ、見せえ、大智識さ五十年の香染こうぞめ袈裟けさより利益があっての、その、嫁菜の縮緬ちりめんなかで、幽霊はもう消滅だ。」
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一国の大寺なれば古文書こもんじよ宝物等も多し、その中に火車落くわしやおとし袈裟けさといふあり、香染かうそめあさと見ゆるにあとのこれり。
平中はわなわな震へる手に、ふはりと筐の上へかけた、香染かうぞめの薄物を掲げて見た。筐は意外にも精巧を極めた、まだ真新しい蒔絵まきゑである。
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
清正は香染こうぞめの法衣ころもに隠した戒刀かいとうつかへ手をかけた。倭国わこくわざわいになるものは芽生めばえのうちに除こうと思ったのである。しかし行長は嘲笑あざわらいながら、清正の手を押しとどめた。
金将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)