“こうぞめ”の漢字の書き方と例文
語句割合
香染100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
香染こうぞめの衣を着た、青白い顔の、人気のあった坊さんが静々と奥院の方からほのかにゆらぎだして来て、衆生しゅじょうには背中を見せ、本尊菩薩ぼさつ跪座立礼きざりつれい三拝して、説経壇の上に登ると、先刻嫁をののし
香染こうぞめのおん、おなじ色のみ袈裟けさ、まき絵の袈裟ばこをそばにおかれ、寝殿中央に御座あって、まんまえのひさし玉座おましに束帯低う“御拝ぎょはいノ礼”をとられた天皇のおすがたを
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
香染こうぞめ法衣ころもをばさばさと音さして、紫の袈裟けさを畳んだままで、ひじに掛けた、その両手に、太杖ふとづえこごみづきに、突張つっぱって、れて烏の鳴く樹の枝下へ立つと、寺男が、背後うしろから番傘をさしかけた。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)