“屈”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
かが63.6%
かゞ10.1%
こご5.5%
くっ4.2%
3.1%
くつ2.6%
まが2.4%
こゞ2.0%
1.5%
0.7%
(他:20)4.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
婆さんはその薄暗の中に、半天はんてんの腰をかがめながら、ちょうど今何か白いけものき上げている所だった。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
おちゃらはしなやかな上半身を前にかがめて、一歩進んだ。薄赤い女の顔が余り近くなったので、純一はまぶしいように思った。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
また同じことを繰り返へして、猪之介は馬鹿丁寧に小腰をかゞめつゝお光に挨拶してから、旦那に尻を向けて上り口に腰をかけた。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
おつぎの姿すがたとほくなればむしろくちのつくほどかゞんでこゑかぎりにんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おとよさんは少しこごみ加減になって両手を風呂へ入れているから、省作の顔とおとよさんの顔とは一尺四、五寸しか離れない。
隣の嫁 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
門の外まで出て来て、『おりきい、お力い。』と体をこごめねばならぬ程の高い声を出して友達を呼んでゐる女の子もあつた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
誰にもくっしたことがない、誰へも傲倨ごうきょに君臨する、ましてや芸術においては無論、天下の陶器師を睥睨へいげいしている。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも、クロはこの難行苦行なんぎょうくぎょうにもくっする色なく、なおとぶことは稲妻いなずまよりもはやい。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女は火の上に身體をげて、焚火たきびの光で祈祷書のやうな小型の黒い表紙の本に讀み入つてゐるらしかつた。
軍手を穿めた手にステッキ位の黒い棒をシッカリと構えているが、腰をげているので背丈の高さはわからない。
オンチ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
強情がうじやうな腹立ちの餘り、その宣告にくつするどころか私は殆んど天の配劑を呪ひさへした、公然とそれに反抗したのだ。
覚悟かくごのことで、あし相応さうおう達者たツしや、いやくつせずにすゝんだすゝんだ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
善吉は足早に吉里の後を追うて、梯子の中段で追いついたが、吉里は見返りもしないで下湯場しもゆばの方へまがッた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
トラックを急がせて、会社近くのまがり角へ来たとき、不意に横合から、五六人の男が、運転手台へ飛びかかった。
(新字新仮名) / 徳永直(著)
小「へい、お辞儀をしようとしてこゞむと梨が転がり出しますから頭を下げませんが、ちゃんと心の内でお辞儀をして居ります」
「これは電燈ですか?」と言ひつゝ、おろされた土鍋の上に顏をこゞめて、藥に浸したガーゼを箸で摘んで目に當て/\した。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
思ひししばし見惚みほれつ昼さがり陶器師すゑものつくりまはすろくろを
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
思ひししばし見恍みとれつひるさがり陶器師すゑものつくりはろくろを廻はす
真珠抄 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
総監は巨躯をがめ、一分刈の丸い顱頂の上を暴風が吹き過ぎるのを待っていたが、大体もう頃合だと思ったか白皙な面をあげると、
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そして肩に受けた無双の大力に押されて、意気地なくも身体が折れがむまでに押え付けられてしまった。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
「御前、一にうだろう」とこごみながら云う。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
——当寺の老和尚が、香染こうぞめ法衣ころもをばさばさと音さして、紫の袈裟けさを畳んだままで、ひじに掛けた、その両手に、太杖ふとづえこごみづきに、突張つっぱって、れて烏の鳴く樹の枝下へ立つと、寺男が、背後うしろから番傘をさしかけた。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その上に二人ふたあり腰を掛けて、残る一人がしゃがんで丸太へ向いている。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いろいろ考えたうちに一番感じたのは、自分がこんな泥だらけの服を着て、真暗なあなのなかにしゃがんでるところを、艶子つやこさんと澄江すみえさんに見せたらばと云う問題であった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
姫は身をコヾめて、白玉を拾ふ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
姫は身をコヾめて、白玉を拾ふ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
「ハイ、指ばかりおっていると申てよこしましたが……」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
おそらくこの曲は古今のヴァイオリン協奏曲でも十指——あるいは五指にかがなうべき傑作の一つと言って差しつかえはない。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
首尾よく、水車小屋の近くまで忍んで行くと、一枚のむしろがあったので、木の枝をそれにかえ、蓑虫みのむしのようにクルリと丸まりながら、なるべく人声に接近して、大きな歯車の蔭にそッと身をかがめめ込む。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かへりみて明治の作家をかぞふるに、真に情熱の趣を具ふるもの果して之を求め得べきや。
情熱 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
林や竹藪の中にくぐまる射干しゃが、春蘭のような花すら美しき遠つ世を夢みている。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
中宮、「無下に思ひくんじにけり。いとわろし。言ひめつることは、さてこそあらめ」。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
指を伸して居れば伸したなりに、くゞめて居れば屈めたなりにして居なければ、一寸でも動かす為には、私は泣き顔でその痛さを堪忍ばねばならなかつた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
こごんでくゞる軒下を
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
こゞんでくぐる軒下を
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
わしア此の床の中へひえって頭から掻巻けえまきかぶって、ウフヽヽつくなんでると、女子おなごは知んねえからこけえ来る、中へおひえんなさいましと云ったところで
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
小腰をひくめて「ちょいとお湯へ」と云ッてから、ふと何か思い出して、きもつぶした顔をして周章あわて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
うんうんという唸声うめきごえ、それがやがて泣声になるけれど、それにもめげずにって行く。
傷もいたんだが、何のそれしきの事にめげるものか。
カヽなへて、夜には九夜。日には十日を(古事記中巻)
万葉集の解題 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
姫は身をコゴめて、白玉を拾ふ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)