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屈
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かゞ
ふりがな文庫
“
屈
(
かゞ
)” の例文
上の者も恐れて山三郎には自然頭を下げる様になり、又弱い者は山三郎を見まして旦那様/\と遠くから腰を
屈
(
かゞ
)
めて尊敬いたします。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
もう駄目だと
悟
(
さと
)
つた私は、二つに割れた
石板
(
せきばん
)
の
缺片
(
かけら
)
を
屈
(
かゞ
)
んで拾ひながら、最惡の場合に處する爲めに、勇氣を
奮
(
ふる
)
ひ起した。時は來た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
指折
(
ゆびを
)
り
屈
(
かゞ
)
めて
勘定
(
かんじよう
)
して、
今晩
(
こんばん
)
は、
夜
(
よる
)
で
申
(
まを
)
せば、
九晩
(
こゝのばん
)
。
晝
(
ひる
)
で
申
(
まを
)
せば、
十日
(
とをか
)
を
經過
(
けいか
)
いたしましたことよ。かういふお
答
(
こた
)
へをしたのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
また同じことを繰り返へして、猪之介は馬鹿丁寧に小腰を
屈
(
かゞ
)
めつゝお光に挨拶してから、旦那に尻を向けて上り口に腰をかけた。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
其の物音に自分は沈思の
中
(
うち
)
から振向いて眺めやると、机の上のランプの光が斜めに流れて、
折
(
を
)
り
屈
(
かゞ
)
んで働いて居る小間使花の横顏を照す。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
(お休みの処を、済みません、)と丁寧に小腰を
屈
(
かゞ
)
めて
挨拶
(
あいさつ
)
をしたが、うっかり禁句とは心着かなかった。飯炊は
面
(
つら
)
を膨らして
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ウヰルソンの義弟といふのは、
身
(
み
)
の
丈
(
たけ
)
七尺もあらうといふ
背高男
(
のつぽ
)
で、道を歩く時にはお
天道様
(
てんとうさま
)
が頭に
支
(
つか
)
へるやうに、心持
背
(
せな
)
を
屈
(
かゞ
)
めてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
船頭
(
せんどう
)
が
態
(
わざ
)
と
自分
(
じぶん
)
を
突
(
つ
)
きのめしたものゝやうに
感
(
かん
)
じて
酷
(
ひど
)
く
手頼
(
たより
)
ない
心持
(
こゝろもち
)
がした。
彼
(
かれ
)
は
凝然
(
ぢつ
)
と
屈
(
かゞ
)
んで
船頭
(
せんどう
)
の
操
(
あやつ
)
る
儘
(
まゝ
)
に
任
(
まか
)
せた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
鋭くしやんとした酒井と、重く
屈
(
かゞ
)
み加減になつてる行田とはいつも
兩人
(
ふたり
)
ながら膝前をきちりと合はせて稽古の座敷の片隅に並んで座つてゐた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
實際
(
じつさい
)
思
(
おも
)
つたよりも
早
(
はや
)
く、それを
半分
(
はんぶん
)
飮
(
の
)
まない
中
(
うち
)
に
愛
(
あい
)
ちやんは
頭
(
あたま
)
が
天井
(
てんじやう
)
につかへたのを
知
(
し
)
り、
首
(
くび
)
の
折
(
を
)
れない
用心
(
ようじん
)
に
屈
(
かゞ
)
んで、
急
(
いそ
)
いで
壜
(
びん
)
を
下
(
した
)
に
置
(
お
)
き
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
さして立去たり
跡
(
あと
)
に殘りし男は
猶
(
なほ
)
内の樣子を
窺
(
うかゞ
)
ひ居る故
旅僧
(
たびそう
)
は見付られなば殺されもやせんと
息
(
いき
)
を
堪
(
こら
)
へて車の
蔭
(
かげ
)
に
屈
(
かゞ
)
み居る中此方の
板塀
(
いたべい
)
の戸を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
目をば
優
(
まさ
)
る鏡とせんとてわがかの水(人をしてその
中
(
なか
)
にて優れる者とならしめん爲流れ
出
(
いづ
)
る)の
方
(
かた
)
に身を
屈
(
かゞ
)
めしその早さには
如
(
し
)
かじ 八五—八七
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
背骨や腰が柳の枝でもたかねたやうに
屈
(
かゞ
)
んで来たけれど、私には何うしても同情することのできない気質をもつてゐた。
余震の一夜
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
後ろから覗くやうに小腰を
屈
(
かゞ
)
めたのは、その繼娘で小牧家の一粒種、
曾
(
かつ
)
ては甥の傳七郎と
娶合
(
めあは
)
せようとしたお優でせう。
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
噫世に誰か此フンの意味の能く解る人があらう。やがて身を
屈
(
かゞ
)
めて、落ちて居た櫛を拾ふ。抱いて居る兒はまだ乳房を放さない。隨分強慾な兒だ。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と、
蝋燭
(
ろふそく
)
の火を
下
(
さ
)
げて身を
屈
(
かゞ
)
めた
途端
(
とたん
)
に、
根太板
(
ねだいた
)
の上の或物は
一匹
(
いつぴき
)
の白い
蛇
(
へび
)
に成つて、するすると
朽
(
く
)
ち
重
(
かさな
)
つた
畳
(
たヽみ
)
を
越
(
こ
)
えて
消
(
き
)
え去つた。
刹那
(
せつな
)
、貢さんは
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
道翹
(
だうげう
)
は
身
(
み
)
を
屈
(
かゞ
)
めて
石疊
(
いしだゝみ
)
の
上
(
うへ
)
の
虎
(
とら
)
の
足跡
(
あしあと
)
を
指
(
ゆび
)
さした。
偶
(
たま/\
)
山風
(
やまかぜ
)
が
窓
(
まど
)
の
外
(
そと
)
を
吹
(
ふ
)
いて
通
(
とほ
)
つて、
堆
(
うづたか
)
い
庭
(
には
)
の
落葉
(
おちば
)
を
捲
(
ま
)
き
上
(
あ
)
げた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
顔を
赤
(
あから
)
めてそれを拾はうとする時に、
後
(
うしろ
)
から来た人は
屈
(
かゞ
)
んだ平井の
身体
(
からだ
)
を押したのでひよろひよろとした。
御門主
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
見れば、チエスタ孃が、うす暗い會衆席に、擴げ持つた手紙の上に
屈
(
かゞ
)
みながら、坐つてゐるのだつた。
水車のある教会
(旧字旧仮名)
/
オー・ヘンリー
(著)
歌ふ僧の「ミゼレエレ」(「ミゼレエレ、メイ、ドミネ」、主よ、我を
愍
(
あはれ
)
み給へ、と唱へ出す
加特力
(
カトリコオ
)
教の歌をいふ)唱へはじむるとき、人々は膝を
屈
(
かゞ
)
めて拜したり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
夫
尺蠖
(
せきくわく
)
は伸びて而も
還
(
また
)
屈
(
かゞ
)
み、車輪は仰いで而も亦
低
(
た
)
る、射る弓の力窮まり尽くれば、飛ぶ矢の勢変り
易
(
かは
)
りて、空向ける鏃も地に立つに至らんとす、此故に欲界の六天
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼等は皆同じ様に
椀被
(
わんかむ
)
り頭をして居た。そして、同じ様な
細
(
こま
)
かい双子縞の衣服に黒い小倉帯をしめ、黒い皮鼻緒の
雪駄
(
せつた
)
を穿いてちやら/\と前
屈
(
かゞ
)
みに忙しさうに歩いて居た。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
時々
(
とき/″\
)
同室
(
どうしつ
)
の
者等
(
ものら
)
に
脊
(
せ
)
を
向
(
む
)
けて、
獨
(
ひとり
)
窓
(
まど
)
の
所
(
ところ
)
に
立
(
た
)
つて、
何
(
なに
)
かを
胸
(
むね
)
に
着
(
つ
)
けて、
頭
(
かしら
)
を
屈
(
かゞ
)
めて
熟視
(
みい
)
つてゐる
樣子
(
やうす
)
。
誰
(
たれ
)
か
若
(
も
)
し
近着
(
ちかづき
)
でもすれば、
極
(
きまり
)
惡
(
わる
)
さうに
急
(
いそ
)
いで
胸
(
むね
)
から
何
(
なに
)
かを
取
(
と
)
つて
隱
(
かく
)
して
了
(
しま
)
ふ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
その先きは低い
隧道
(
すゐだう
)
になつたので、己は腰を
屈
(
かゞ
)
めて進んだ。折々岩角が肩に触れる。暫く歩くうちに屈めた腰が疲を覚えて来た。己は推測した。多分此道はわざと難渋にしてあるのだらう。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
身を前に
屈
(
かゞ
)
めて、狡猾らしく笑ふのは、素焼の城持ちの貴婦人である。
クサンチス
(新字旧仮名)
/
アルベール・サマン
(著)
私
(
わたくし
)
は
二人
(
ふたり
)
の
案内
(
あんない
)
に
從
(
したが
)
つて、
鐵門
(
てつもん
)
を
窬
(
くゞ
)
つたが、はじめ十
歩
(
ぽ
)
ばかりの
間
(
あひだ
)
は
身
(
み
)
を
屈
(
かゞ
)
めて
歩
(
あゆ
)
む
程
(
ほど
)
で、
稍
(
や
)
や
廣
(
ひろ
)
くなつたと
思
(
おも
)
ふと、
直
(
す
)
ぐ
前
(
まへ
)
には、
岩
(
いわ
)
に
刻
(
きざ
)
んで
設
(
まう
)
けられた
險
(
けわ
)
しい
階段
(
かいだん
)
がある、
其
(
その
)
階段
(
かいだん
)
を
降
(
お
)
り
盡
(
つく
)
すと
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
家の
下部
(
しもべ
)
が、
老
(
お
)
い
屈
(
かゞ
)
み
かさぬ宿
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
スウプと魚とはもう出すばかりになつてゐて、料理番は
逆上
(
のぼ
)
せきつて、身も心も燃えだしさうになりながら、鍋の上に身を
屈
(
かゞ
)
めてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
男か女か分りませんが、
頻
(
しき
)
りと手を出してお
出
(
いで
)
/\をしてお竹を招く様子、腰を
屈
(
かゞ
)
めて辞儀をいたし、また立上って手招ぎをいたします。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
門
(
もん
)
の
左側
(
ひだりがは
)
に、
井戸
(
ゐど
)
が
一個
(
ひとつ
)
。
飮水
(
のみみづ
)
ではないので、
極
(
きは
)
めて
鹽
(
しほ
)
ツ
辛
(
から
)
いが、
底
(
そこ
)
は
淺
(
あさ
)
い、
屈
(
かゞ
)
んでざぶ/″\、さるぼうで
汲
(
く
)
み
得
(
え
)
らるゝ。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
足
(
た
)
し
立出
(
たちいで
)
見れば水はなく向ふの
家
(
いへ
)
に話しの
老人
(
らうじん
)
障子を
開
(
ひら
)
きて書を
讀
(
よみ
)
ゐたるに是なる可しと
庭口
(
にはぐち
)
より進み入つゝ
小腰
(
こごし
)
を
屈
(
かゞ
)
め
眞
(
まこと
)
に申し兼たれどもお
水
(
みづ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お
光
(
みつ
)
はと振り返へると、横の
徑
(
こみち
)
から
鍬
(
くは
)
を
擔
(
かつ
)
いで來た百姓に小腰を
屈
(
かゞ
)
めつゝ、物を
訊
(
き
)
いてゐたが、やがて嬉しさうな顏をして小走りに小池に追ひ付き
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
死者は死するに生者は生くるに異ならず、
面
(
まのあたり
)
見し人なりとて、わが
屈
(
かゞ
)
みて歩める間に踏みし凡ての事柄を我よりよくは見ざりしなるべし 六七—六九
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「へへへ……」客は海老のやうに腰を
屈
(
かゞ
)
めて恐縮した。「実はその、先生、私どもの
職業
(
しやうばい
)
は天麩羅屋なんでしてね。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「こうれ、
此
(
この
)
阿魔奴
(
あまめ
)
、しらばくれやがつて、どうしたんだよ」
勘次
(
かんじ
)
は
屈
(
かゞ
)
んだ
儘
(
まゝ
)
のおつぎをぐいと
突
(
つ
)
いた。おつぎは
轉
(
ころ
)
がり
相
(
さう
)
にして
漸
(
やうや
)
く
土
(
つち
)
へ
手
(
て
)
を
突
(
つ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
嗚呼東京に來たのだつけと思ふと、
昨晩
(
ゆうべ
)
の足の
麻痺
(
しびれ
)
が思出される。で、膝頭を伸ばしたり
屈
(
かゞ
)
めたりして見たが、もう何ともない。
階下
(
した
)
ではまだ起きた
氣色
(
けはひ
)
がない。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ロダンの作で有名な「思想家」が入口の正面の
空地
(
あきち
)
に円い屋根、円い柱の大伽藍を背負ふ様に少し
屈
(
かゞ
)
んで、膝の上の片肱に思慮と意志との堅実
相
(
さう
)
な顔を載せて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
『
巧
(
うま
)
い
事
(
こと
)
云
(
い
)
つてら!』と
云
(
い
)
ひ
捨
(
す
)
てゝ
鳩
(
はと
)
は
再
(
ふたゝ
)
び
巣
(
す
)
に
落着
(
おちつ
)
きました、
愛
(
あい
)
ちやんは
首
(
くび
)
が
枝
(
えだ
)
から
枝
(
えだ
)
に
絡
(
から
)
みさうなので、
出來
(
でき
)
るだけ
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
に
屈
(
かゞ
)
んでゐましたが、
歩
(
ある
)
く
時
(
とき
)
には
屡々
(
しば/\
)
足
(
あし
)
を
停
(
と
)
めて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
小腰を
屈
(
かゞ
)
めるのを見ると、二十四五の、これは本當に良い男振りでした。
銭形平次捕物控:295 万両息子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
背の高い山崎は少し身を
屈
(
かゞ
)
めるやうにして
黒子
(
ほくろ
)
の女に云つた。
御門主
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
薄暗闇
(
うすくらがり
)
の中から、
後光
(
ごくわう
)
につゝまれた顏を現はして、不思議な憐れみをこめて、私の上に
屈
(
かゞ
)
みかゝりはしないかと、心配になつて來たから。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
今權六が
屈
(
かゞ
)
んで見て居りますと、犬がグック/\と苦しみ、ウーンワン/\と
忌
(
いや
)
な声で
吠
(
ほ
)
える、暫く
悶
(
もが
)
いて居りましたが
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此女
(
このをんな
)
が
上
(
うへ
)
に
坐
(
すわ
)
つて、
紫
(
むらさき
)
の
女
(
をんな
)
が、
斜
(
なゝ
)
めになよ/\と
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けた。
落
(
おと
)
した
裳
(
もすそ
)
も、
屈
(
かゞ
)
めた
褄
(
つま
)
も、
痛々
(
いた/\
)
しいまで
亂
(
みだ
)
れたのである。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
偖
(
さて
)
も吉兵衞は
素
(
もと
)
より
富
(
とめ
)
る身ならねば
乳母
(
うば
)
を
抱
(
かゝ
)
ゆべき
金力
(
ちから
)
も
無
(
なく
)
情け有家へ
便
(
たよ
)
り
腰
(
こし
)
を
屈
(
かゞ
)
めて晝夜を
分
(
わか
)
たず少し
宛
(
づつ
)
の
貰
(
もら
)
ひ
乳
(
ぢ
)
を
成
(
なし
)
又は
乳
(
ちゝ
)
の粉や
甘酒
(
あまざけ
)
と一日々々を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
遙
(
はるか
)
にぽつり/\と
見
(
み
)
える
稻刈
(
いねかり
)
の
百姓
(
ひやくしやう
)
は
㷀然
(
ぽつさり
)
とした
彼
(
かれ
)
の
目
(
め
)
から
隱
(
かく
)
れようとする
樣
(
やう
)
に
悉皆
(
みんな
)
ずつと
低
(
ひく
)
く
身
(
み
)
を
屈
(
かゞ
)
めて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
我等をティチオにもティフォにも行かしむる勿れ、この者よく汝等のこゝに求むるものを與ふるをうるがゆゑに身を
屈
(
かゞ
)
めよ、顏を
顰
(
しか
)
むる勿れ 一二四—一二六
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
北満洲の秋の野には
蝗
(
いなご
)
や蛙が飛んだり、跳ねたりしてゐたが、新調の軍服を見ると、急に
地面
(
ぢべた
)
に
這
(
は
)
ひ
屈
(
かゞ
)
んでしまつた。軍服は大手を
揮
(
ふ
)
つて、その前を通り過ぎた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ナンシイ市を過ぎて
仏蘭西
(
フランス
)
の国境を離れた汽車の中で二人は
初秋
(
はつあき
)
の
夜寒
(
よさむ
)
を詫びた。自分は三等室の冷たい板の腰掛の上で
良人
(
をつと
)
の膝を枕に足を
屈
(
かゞ
)
めて
辛
(
から
)
うじて横に成つて居た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
『痛くねえす。』とお定は囁いたが、それでも忠太がまだ何か話欲しさうに
屈
(
かゞ
)
んでるので
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
今年三十三の小池が、指を
屈
(
かゞ
)
めて數へてみると、お光は二十四になつてゐる。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
屈
常用漢字
中学
部首:⼫
8画
“屈”を含む語句
前屈
屈曲
折屈
退屈
屈辱
窮屈
屈竟
理屈
鬱屈
背屈
屈指
屈託
屈托
屈強
佶屈
怠屈
佶屈聱牙
欝屈
屈伏
不屈
...