“掛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
33.4%
かか22.2%
かゝ18.1%
かけ10.8%
3.7%
がけ3.5%
がか2.2%
がかり1.8%
かく1.0%
がゝ0.8%
かゝり0.6%
かかっ0.4%
かかり0.4%
かゝる0.2%
かゝつ0.2%
かゝれ0.2%
かヽ0.2%
くわい0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はて、なんだ、とおもひながら、こゑけようとして、ひとしはぶきをすると、これはじめて心着こゝろづいたらしく、あらをんなかほげた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
橋の欄干らんかんかかって、私はただ涙ながらに時の経つのを待っていた。大時計の上には澄み渡った空に星が二つ三つきらめいていた。
鏡子は気にかゝ良人をつとの金策の話を此人にするのに、今日けふだ余り早すぎると下臆病したおくびやうな心が思はせるので、それは心にしまつて居た。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
染出そめいだしたる萌黄緞子もえぎどんす油箪ゆたんを掛て二棹宰領四人づつ次に黒塗くろぬり金紋きんもんむらさきの化粧紐けしやうひもかけたる先箱二ツ徒士十人次に黒天鵞絨に白く御紋ごもん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
また或時あるとき、市中より何か買物かいものをなしてかえけ、鉛筆えんぴつを借り少時しばらく計算けいさんせらるると思ううち、アヽ面倒めんどうだ面倒だとて鉛筆をなげうち去らる。
母が一人でめしいたりおさいこしらえたりして五人の小供の世話をしなければならぬから、中々教育の世話などは存じがけもない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
私は今前後のがかりを忘れてしまったから、先生が何のためにこんな自白を私にして聞かせたのか、判然はっきりいう事ができない。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
感化院を出がけに兄貴分から注意されて来た牛太郎ぎゅうたろうという女郎屋の改札がかりはコイツらしい。聞いた通りに派手なダンダラの角帯かくおびを締めていやがる。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
小脇に弓矢をかかへしまま、側目わきめもふらず走り過ぎんとするに。聴水は連忙いそがわしく呼び止めて、「喃々のうのう、黒衣ぬし待ちたまへ」と、声をかくれば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
清「おれは今通りがゝって雨にって逃げる処がねえのに、雷様らいさまが鳴って来たから魂消たまげておめえらがうちへ駈込んで、今囲炉裡へ麁朶ア一燻ひとくべしたゞ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
眞直まつすぐに護國寺はじ波切不動なみきりふどうへ參詣て田圃道を緩々ゆる/\王子へ行可しとて小川町へとかゝりけるに和吉は大きにのぞみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
賄の代金は大阪で請取うけとると云う約束がしてあるからそれは宜しい。何日なんかかかっても構わぬ、途中からあがることは出来ぬと云う。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
御淋おさびしゅう御座りましたろう、御不自由で御座りましたろうと機嫌きげん取りどり笑顔えがおしてまめやかに仕うるにさえ時々は無理難題、先度せんど上田うえだ娼妓じょうろになれと云いかかりしよし。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
遣はしたるか何にも今暫らく日數もかゝるべしさりながら捨置すておきがたしと伊豆守殿へおほせけるは越前守役宅やくたく上意じやういおもむき申遣はすべしとの事なれば早速さつそく伊豆守殿より使者ししや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なん落語はなし種子たねにでもなるであらうとぞんじまして、門内なか這入はいつて見ましたが、一かう汁粉店しるこやらしい結構かゝりがない、玄関正面げんくわんしやうめんには鞘形さやがたふすまたててありまして、欄間らんまにはやり薙刀なぎなたるゐかゝつ
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
日についで支度にかゝれば二月の末には萬々ばん/\用意はとゝのひたり爰に皆々を呼集よびあつ評定ひやうぢやうに及ぶ樣はすぐさま江戸へ下るべきや又は大坂表へ出て動靜やうす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わたしどもははしら障子しやうじほねくろずんだ隔座敷ざしきへとほされた。とこには棕梠しゆろをかいたぢくかヽつてゐたのをおぼえてゐる。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
わたり一尺八寸七分きよ厚二寸許緑衣生ぜり。此日寺中書画を曝す日にて蔵画を見たり。大横幅著色寿老人一くわい寺僧兆殿司てうでんすゑがくところなりといへども新様にして疑ふべし。しかれども図式は頗奇異なり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)