“趣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもむき83.6%
おもむ11.7%
しゅ1.4%
しゆ0.7%
おもぶ0.4%
おも0.4%
おもふ0.4%
おもむきの0.4%
すみや0.4%
むき0.4%
オモム0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
感情稍薄きに似たれども尚其の人に対し其の声を聴くのおもむきを存して尋常文章の人を動すに優れり、余は元来言文一致を唱うる者なり
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
一が去り、二がきたり、二が消えて三が生まるるがためにうれしいのではない。初から窈然ようぜんとして同所どうしょ把住はじゅうするおもむきで嬉しいのである。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
智恵があって、生死の出で難いことを知り、道心があって慈尊に会わんことを願うのは、殊勝のことのようであるが、よしなき畜生のしゅを感ずることは浅ましいことである。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
譬へばあの男が龍蓋寺の門へきました、五しゆ生死しやうじの繪に致しましても、夜更よふけて門の下を通りますと、天人の嘆息ためいきをつく音や啜り泣きをする聲が、聞えたと申す事でございます。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
かさね右のおもぶきまで願書にしたゝめ居たるに加賀屋長兵衞入り來り我等何分なにぶんにも取扱ひ候間いますこし御待ち下さるべし白子屋方へ能々よく/\異見いけん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
發輝はつきと申立て給はらば夫にて宜しと家主長助は忠兵衞をしかと談じ其のおもむきの一札を取置さればお光殿立歸りて訴訟の支度したくに及ばんなれども忠兵衞殿には御迷惑ごめいわくなる事に候はんとあつく禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かすめ取るべしと思ひしをりから故大いによろこび兩人は立出是は/\勘解由かげゆ殿にはよくこそ御入來只今の御口上のおもふいたみ入候主人儀は別段變る事も是なく併し此度の儀は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
復啓二月二十一日付を以て学位授与の御辞退相成あいなりたきおもむきの御申出相成あいなり候処そうろうところすで発令済はつれいずみにつき今更いまさら御辞退のみちもこれなく候間そうろうあいだ御了知相成たく大臣の命により別紙学位記がくいき御返付おかえしつけかたがたこの段申進もうしすすめそうろう敬具
博士問題の成行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
呉王ごわう臺上だいじやうより、((孫子ガ))まさ愛姫あいきらんとするをおほいおどろき、すみやかに使つかひをしてれいくださしめていは
私が家事不取締不埓至極という厳しい御沙汰ごさたを受けて切腹仰せ付けられるも知れないが、それより外に致し方はない、誠に困ったがよんどころないから宜しい、其のむきに届けるから
一乗山イチジヨウザン根来寺ネゴロジハ、開山上人カイザンシヤウニン、伝法院ノ建立コンリフ以来、専ラ近隣ト闘争シ、弓矢ヲ取ルヲ寺法トナス、六百年来、富ヲホシイママニシ、強敵ニ向フナク、小敵ヲサゲスミ、オモム井蛙セイアホコリニ似タリ。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)