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異見
大學者さまが
頭の
上から
大聲で
異見をして
下さるとは
違ふて、
心から
底から
沸き
出すほどの
涙がこぼれて、いかに
強情我まんの
私でも
重ね右の
趣きまで願書に
認め居たるに加賀屋長兵衞入り來り我等
何分にも取扱ひ候間
今少し御待ち下さるべし白子屋方へ
能々異見を
宜い
加減に
家でも
拵へる
仕覺をしてお
呉れと
逢ふ
度に
異見をするが、
其時限りおい/\と
空返事して
根つから
氣にも
止めては
呉れぬ、
父さんは
年をとつて
人の
女房にだけはならずに
居て
下されと
異見を
言はれしが、
悲しきは
女子の
身の
寸燐の
箱はりして
一人口過しがたく、さりとて
人の
臺處を
這ふも
柔弱の
身體なれば
勤めがたくて