“何分”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なにぶん86.1%
なんぷん5.6%
なんぶん2.8%
なんぶ2.8%
どうも0.9%
いくら0.9%
なにぶんの0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見捨みすてたと云かどがあるゆゑ道具だうぐ衣類いるゐは云までもなく百兩の持參金ぢさんきんはとても返す氣遣きづかひなしと思ふゆゑそれそんをしてもかまはぬが何分なにぶん離縁状りえんじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何分なんぷんのち、あの羽根をきずつけた山鳩は、ずまたそこへかえって来た。その時もう草の上の彼は、静な寝息を洩らしていた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
幾何学上に称する点や線などは大きさなきものと説いてあるが、しかし針のさきでさえも一りん何分なんぶんの一というように必ずはかり得る大きさを有するものである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
紺の臭いのする新しい印絆天しるしばんてん皮並かわな何分なんぶという股引、首にくい込むようないなせな腹掛け、白木の算盤玉の三尺に豆絞りの手拭で向こう鉢巻。
江戸前の釣り (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)
近頃、奥様の御容子ごようすが、何分どうも不審なので御座いますよ、先日旦那様が御帰京おかへりになりました晩、伊藤侯がはからずも媒酌人ばいしやくにんつて下ださるからとのお話で
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
誠に正直一途いちずの人で、或る日、本郷春日町かすがちょう停留場の近所で金を拾い直ぐさま派出所へ届け、落とし主も解りその内より何分いくらか礼金を出した所、本人は何といっても請け取らないので
著作家や牧師のやうな始終しよつちゆううちばかしにくすぶつてゐるのは一番の困り者で、出来る事なら船乗ふなのりや海軍軍人のやうな月の半分か、一年の何分なにぶんの一かを海の上で送つて