“一途”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
いちず86.9%
いちづ6.8%
いっと4.2%
イチヅ1.0%
いっしょ0.5%
いッしょ0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そんなことをする女を、おめおめ四、五年の長い間一途いちずに思いつめ、焦がれ悩んでいたとしたら、自分はどうしても自身の不明を恥じねばならぬ。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
ただ一つの真理をしかいれないそれらの一途いちずな魂にとっては、政治上の処置や主要人物らの妥協は、苦々にがにがしい幻滅の種となるのだった。
たゞもう一途いちずな、執心しゅうしんの強い生真面目きまじめな表情で、じっと此方の眼の中を視すえているので、滋幹は又気味悪くなって来て、
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「まあ、お茶でも召されよ。さう一途いちづに思ひつめては事を仕損しそんじますぢや。世の中のことは成るやうにしか成りませんからのう。」
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
そんな時の彼の心持は、ただ一人で監禁された時には、無心で一途いちづ唐草からくさ模様を描きふけるものだといふ狂気の画家たちによほどよく似て居た。
それが一旦いつたん兄さんがつまらない心を起して返り討ちにあつてから、落魄らくはく一途いちづ辿たどりはじめた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
かつて吉岡が擡頭たいとうするまでの名スプリンタアではありましたが今度のオリムピックには成績も悪く、いまは凋落ちょうらく一途いっとにあったようです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
たとえば今のように問屋制度の如きが続くなら、窯の煙はだんだん細くなってゆく一途いっとだろう。
雲石紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
その犯人の正体を指示して頂くこと……この一途いっとよりほかに方法は無い事に相成りました。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一途イチヅに素直に、心の底の美しさが匂ひ出たやうに、静かな、美しい眼で、人々の感激する様子を、驚いたやうに見まはして居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
さうして恐らくは、仁左衛門としての生を終るまで、此清浄で一途イチヅな望みは棄てなかつたであらう。
戞々たり 車上の優人 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
野原の急な風……それはなかなか想像のほかで、見る間に草の茎や木の小枝が砂と一途いっしょにさながら鳥の飛ぶように幾万となく飛び立ッた。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
難なく相談が整ってそれから二人は一途いッしょに義興の手に加わろうとて出立し
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)