“いっしょ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一所42.2%
一緒32.0%
夫婦7.3%
一処5.3%
同時2.9%
同伴2.9%
同棲2.4%
一伴1.0%
一同1.0%
一杵0.5%
一諸0.5%
一途0.5%
合体0.5%
同体0.5%
異口同音0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
祖母おばあさん、一所いっしょに越して来ますよ。」当てずッぽに気安めを言うと、「おお、そうかの。」と目皺めじわを深く、ほくほくとうなずいた。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とにかくみんなは山男をすぐ食堂しょくどう案内あんないしました。そして一緒いっしょにこしかけました。山男がこしかけた時椅子いすはがりがりっと鳴りました。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「あの悪党が、鞭で娘を叩いたり、顔から水をぶっ掛けながら倅と夫婦いっしょになって、この家の跡を取れと言うんだ——みんな聴いたよ、目出たい話さ」
目科は威長高いたけだかに巡査に向い「貴官は拙者せっしゃしりませんか、拙者は目科です、是なる若者は拙者と一処いっしょに来たのです」目科の名を
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
忠義無類の花村様、なんで主命を拒絶ことわるものか。謹んでお受けをしたそうだ。正しくはお受けはしたけれどそれと同時いっしょに花村様は一つ条件を出されたそうだ。条件というのは他でもない。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
玄関番ドアマン、ペエジ・ボウイ、無数の人間が被告マルコルムの首実検をして、エンマ・ダッシュと同伴いっしょに夫婦として来たあの時の紳士に違いないと断定している。
消えた花婿 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
其の伊右衛門は同じ家中かちゅう四谷左門よつやさもんの娘のおいわとなれあいで同棲いっしょになっていたが、主家の金を横領したので、お岩が妊娠しているにもかかわらず、左門のために二人の仲をさかれていた。
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その上助手の杉田も一伴いっしょだのに、二人ながら居ないとすればきっと、この附近に逃れておらるるだろう。
月世界競争探検 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
皆様一同いっしょにアッと御驚おんおどろき遊ばすものを近い内に御覧に入れます。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
が、その宙を踏んで飛舞ひぶする容子ようすは、今しも摩利信乃法師まりしのほうしの脳上へ、一杵いっしょを加えるかと思うほど、神威を帯びて居ったのでございます。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さあ大変だあたし字なんか書けないわとひなげしどもがみんな一諸いっしょに思ったとき悪魔のお医者はもう持って来たかばんから印刷にした証書を沢山出しました。そして笑って云いました。
ひのきとひなげし (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
折から草木を烈しくッて野分の風が吹いて来た。野原の急な風……それはなかなか想像のほかで、見る間に草の茎や木の小枝が砂と一途いっしょにさながら鳥の飛ぶように幾万となく飛び立ッた。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
「御領主だって、ちょっとやそっとの牢人なら召捕るでしょうが——河内、大和、紀州の牢人が合体いっしょになったら、御領主よりゃあ強いでしょう」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やっぱり坊さんの云ったことが真箇ほんとうだったのか、飛んでもない、こんな首を持っていたら、どんな祟りを受けるか判らぬ。せめてこれを体と同体いっしょにしてやって、祟りのないようにしてもらおう」
轆轤首 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
若子さんと私が異口同音いっしょに斯う云って、云合せた様に其処を去ろうとしますと、先刻さっき入口の処で見掛けた彼の可哀相な女の人が、其処に来合せたのでした。
昇降場 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)