“一杵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いつしよ66.7%
いっしょ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
引き窓の綱、流し元の水瓶みづがめ、——そんな物も一つづつ見えなくなつた。と思ふと上野の鐘が、一杵いつしよづつ雨雲にこもりながら、重苦しい音を拡げ始めた。
お富の貞操 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
うみみどりさけなるかな。後苑こうゑん牡丹花ぼたんくわ赫耀かくえうとしてしかしづかなるに、たゞひとめぐはち羽音はおとよ、一杵いつしよ二杵にしよブン/\と、ちひさき黄金きんかねる。うたがふらくは、これ、龍宮りうぐうまさときか。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
が、その宙を踏んで飛舞ひぶする容子ようすは、今しも摩利信乃法師まりしのほうしの脳上へ、一杵いっしょを加えるかと思うほど、神威を帯びて居ったのでございます。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)