“黄金”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こがね47.3%
きん32.0%
おうごん9.2%
わうごん6.1%
かね2.8%
ワウゴン0.9%
キン0.7%
おうこん0.2%
おかね0.2%
こばん0.2%
はな0.2%
ブンブン0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ギヨオテの鬼才を以て、後人をして彼のかしら黄金こがね、彼の心は是れ鉛なりと言はしめしも、其恋愛に対する節操全からざりければなり。
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
まるでお伽噺とぎばなしにあるばかな漁師に黄金きんの魚が手にはいったように、わたくしと出会わしてくだすったことをほんとに感謝いたします。
勘八は驚きあきれて、取蓄えてあった食物と獲物をそっくり提供すると、この連中はよろこんで、勘八に黄金おうごん二枚を与えて行きました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そのあやふきふんで熊を捕はわづか黄金かねため也。金慾きんよくの人をあやまつ色慾しきよくよりもはなはだし。されば黄金わうごんみちを以てべし、不道をもつてべからず。
そのあやふきふんで熊を捕はわづか黄金かねため也。金慾きんよくの人をあやまつ色慾しきよくよりもはなはだし。されば黄金わうごんみちを以てべし、不道をもつてべからず。
日は黄金ワウゴンマルガセになつて、その音も聞えるか、と思ふほど鋭く𢌞つた。雲の底から立ち昇る青い光りの風——、姫は、ぢつと見つめて居た。やがて、あらゆる光りは薄れて、雲は霽れた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
「そりゃ死ぬね、黄金キンの入歯だって何にもなりはしないよ、けど、これで何でも噛めるから至極安楽だね。」
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
黄金おうこんづしにひめて
文月のひと日 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
皆な此の財産しんだいの御蔭だあネ、かほつやよりも今は黄金おかねの光ですよ、はゞかりながら此の財産は何某様どなたさまの御力だと思ふんだ、——其の恩も思はんで、身分の程も知らなんで、少しばかりの容姿を鼻に掛けて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
……(腰かける)だが、困ったことには、金がない! かつえた犬には肉こそ黄金こばん、といってな。……(いびきをかき、すぐまた目を覚ます)わたしもそれさ……金のことしか頭にないのさ……
桜の園 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
『淀屋が何じゃ……浮橋、皆を呼べ、黄金はないてやろうぞ、奥の座敷に、負けぬ黄金を』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その、受話機ほどの長さの円筒の両端には紙の蓋が貼られて、中には数個を黄金ブンブン虫が翹音を立てゝゐた。つまり電話機だつたのである。
気狂ひ師匠 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)