“龕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
がん66.7%
づし14.6%
ずし8.3%
みづし4.2%
おづし2.1%
ほくら2.1%
トリプチック2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
斷崖の一隅にがんの形をなしたる低き岸あり。灌木まばらに生じて、深紅の花を開ける草之にまじれり。岸邊には一隻の帆船を繋げるを見る。
教授はおそる/\づしを開けにかゝつた。定めし黄金きんまぶしい光でもす事だらうと、心持眼を細くしてゐると、なかから転げ出したのは鼠のやうな真黒な仏さんだつた。
それは床から五フィートばかりの壁に設えたずしの中に納められてあった。淡い間接照明の光は、奥深い洞穴の様な感じを与えていた。
赤い手 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
内部うちらなる耶蘇のみづしにひとすぢのかうたちのぼる。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
それから又一段上つて、云はば内陣ともあるべき幅一間程の細長い板の間の奥におづしがある。千手観世音が祀つてあるのだ。彼は何と云ふ考もなしに、ふらふらと縁に上つた。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
夜も更けしをり、同じ路、同じほくら
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
糸の切れた緋威ひおどしのよろいが聖アウガスチンのトリプチックに寄りかゝっている古道具屋。水を流して戸を締めている小さい市場。硝子窓から仕事娘を覗かしている仕立屋。中産階級の取り済ました塀。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)