“おづし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
御厨子50.0%
50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
當屋敷に巣喰ふ惡者が、合鍵あひかぎを作つて用箪笥を開き二品を盜んで土藏の中の奧方の御厨子おづしに隱したので御座います。
「奧方の御側、——土藏の中で、朝夕拜んで居られた、觀音像の御厨子おづしの中に御座います」
それから又一段上つて、云はば内陣ともあるべき幅一間程の細長い板の間の奥におづしがある。千手観世音が祀つてあるのだ。彼は何と云ふ考もなしに、ふらふらと縁に上つた。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
やがておづしの前に近よつた。太い格子戸の戸が左右から引かれて、太鼓錠がとぼその真中に下つて居る。彼は手さぐりに戸前とまへの処を撫でて見た。冷たい鉄の錠がひやりと彼の指先にさはつた。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)