“ずし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
厨子48.7%
逗子30.3%
6.7%
廚子3.4%
3.4%
寿司2.5%
2.5%
辻子0.8%
葬龕0.8%
神龕0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
元は岡野今の風月ふうげつの前のところへ来ると、古道具屋の夜店が並んでいます。ひょいと見ると、小さな厨子ずし這入はいっている不動様が出ている。
もう十二年ぜんである、相州そうしゅう逗子ずしの柳屋といううちを借りて住んでいたころ、病後の保養に童男こども一人ひとり連れて来られた婦人があった。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
みな其処そこに寄り集まつておとほりの時刻じこくつてりますので、うちもくずしが出たり種々しゆ/″\御馳走ごちそうますうちにチヨン/\と拍子木ひやうしぎを打つてまゐりました。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
御部屋の中には皮籠かわごばかりか、廚子ずしもあれば机もある、——皮籠は都を御立ちの時から、御持ちになっていたのですが、廚子や机はこの島の土人が、不束ふつつかながらも御拵おこしらえ申した
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
やがて呉羽之介は堂内正面に安置された仏壇に似たずしに近づき、その扉をば又も鍵で押明けさてこの内に雪洞を差しつけ
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
出もどりの姉おこよにやらせている名物いろは寿司ずしおかっ引きいろは文次ぶんじが住まいである。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
もぶりずしの竹皮包みを手拭てぬぐいにてしばりたるがまさに抜け落ちんとするを平気にて提げ、大分酔がまわったという見えで千鳥足おぼつかなく、例の通り木の影を踏んで走行あるいて居る。
句合の月 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
またその高御門町から東、西新屋町より東北に向かって中新屋町に通ずる小路を、もとひじり辻子ずしといった。『坊目考』には
俗法師考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
しかし今も木辻の東南に中辻町というのがあって、そこにろうの坂という名があったのは耳よりな話である。中辻あるいは中尾の辻子ずしの転訛ではあるまいか。
俗法師考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
ひつぎはビロードの天蓋の下の立派な葬龕ずしに安置してあった。そのなかに故伯爵夫人はレースの帽子に純白の繻子しゅすの服を着せられ、胸に合掌がっしょうして眠っていた。
彼は冷たい石の上にひざまずいて、しばらくそのままにしていたが、やがて伯爵夫人の死に顔と同じようにさおになってちあがると、葬龕ずしの階段を昇って死骸の上に身をかがめた——。
古い偶像でいっぱいになっている神龕ずしには、金色のランプがともっていた。