ずし)” の例文
パン屋の隣りはあずまずしという鮨屋であった。あずま鮨はこの近辺では一番うまいという評判であった。しかし私の得意ではなかった。
安い頭 (新字新仮名) / 小山清(著)
みな其処そこに寄り集まつておとほりの時刻じこくつてりますので、うちもくずしが出たり種々しゆ/″\御馳走ごちそうますうちにチヨン/\と拍子木ひやうしぎを打つてまゐりました。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
あのまま借りている毛抜きずしの二階へ、てん屋物を取りちらして、二人は自暴酒やけざけだった。庄次郎は、ゆうべも屋敷へ帰っていない。今日も帰る気がしない。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
桶取おけとり」、「大仏」が出たあとで、五番目に「さくこう」と云う名取の娘の「江戸みやげ」が済み、今休憩の時間に這入ってお茶やちらしずしの接待が始まっていた。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
よく、芝口のおはぎ、神明の太々餅だいだいもち土橋どばしの大黒ずしなどがお土産にされたものでありました。
これは居士の家の光景で、その大学の制服を着ている人は夏目漱石君であった。何でも御馳走ごちそうには松山ずしがあったかと思う。詩箋しせんに句を書いたのが席上に散らかっていたようにも思う。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
その夜中に、伸子たちは珍しい日本風の握りずしをたべた。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
握りずし
料理メモ (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
姉のお蔦からも、毛抜きずしの二階では、よく教わったものである。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
肴店さかなだなの毛抜きずし
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)