“中”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
うち43.9%
なか32.6%
あた11.0%
3.3%
じゅう2.3%
ちゅう2.3%
ちう0.6%
あて0.6%
ちゆう0.4%
ぢゆう0.4%
(他:59)2.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
更に谷崎氏に答へたいのは「芥川君の筋の面白さを攻撃するうちには、組み立ての方面よりも、或は寧ろ材料にあるかも知れない」と云ふ言葉である。
案内の市川君がうずらですと云ったので始めてそうかと気がついたくらい早く、鶉は眼をかすめて、空濶くうかつうちに消えてしまった。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それから小僧は御殿のうちでお湯に入れられて、美しい着物を着せられて、いろいろな礼儀や学問を教えられたが、小僧はそんな事は大嫌いであった。
猿小僧 (新字新仮名) / 夢野久作萠円山人(著)
または反対に、大変なかのよかった夫婦が飢饉ききんのときに、平生の愛を忘れて、妻の食うべきかゆを夫が奪って食うと云う事を小説にかく。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
警察では、その女をしばらく待たして置いてから、なかで太田が志は有難いが、考える処あってもらえないと云っているから持って帰れと云った。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
歸路かへり眞闇まつくらしげつたもりなかとほときぼくんなことおもひながらるいた
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
この言葉を聞いた紅矢はあまりよくあたるのに驚いてしまって、口を利く事が出来ず只やっとうなずいたばかりでした。けれども婆さんは構わずに——
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
けれども、不思議な事には決して人にはあたらぬもので、人もなく物も無く、ツマリ当り障りのない場所を択んで落ちるのが習慣ならわしだという。
池袋の怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
小「いえ/\狼藉者が参って兎やこう申せば、この引金をガチリと押せば玉がパチンと出て、貴方の鳩尾辺みぞおちあたりあたるように……」
「そうであろう」と頷いたが、葉之助の方へ眼をやると、「さて、お前に聞くことがある。てずに縁をこすったは、竹林派に故実あってかな?」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ここにヒコクニブクの命が「まず、そちらから清め矢を放て」と言いますと、タケハニヤスの王が射ましたけれども、てることができませんでした。
彼の僕等に対するや、いまかつて「ます」と言ふ語尾を使はず、「そら、そこを厚くてるんだ」などと命令することしばしばなり。
病牀雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
が、とにかく婆さんの話によれば、発頭人ほっとうにんのお上は勿論「青ペン」じゅうの女の顔を蚯蚓腫みみずばれだらけにしたと言うことです。
温泉だより (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
此洋服で、鍔広つばびろの麦藁帽をかぶって、塚戸にを買いに往ったら、小学校じゅうの子供が門口に押し合うて不思議な現象を眺めて居た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「まず来年の春までは、雪も氷も解けはしませぬ。そのうちじゅうはあなた様には、この家の捕虜とりこにござります。そうご観念あそばされませ」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「そりゃそうあるべきもの、不発ふはつちゅうといって、釣りにもせよ、網にもせよ、好きの道に至ると迎えずして獲物えものが到るものじゃ」
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
宇治山田の米友は、そのいずれなるに拘らず、髑髏についた泥のもう少し手軽く落つべくして落ちないのにちゅうぱらで、ゴシゴシと洗っている。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
師匠の帰ったあとちゅうっ腹で木原の楽屋を飛び出すと、食傷新道のゆきつけの家へ飛び込んで、とりあえず二、三本、徳利を倒した今松だった。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
だい一に困窮こんきうするのは淡水まみづられぬことで、其爲そのために十ちう八九はたをれてしまうのだが
わたくしじつは、この使命しめいの十ちう八九まではげらるゝことかたきをつてる、また
このほどちう其方そなたのやうに、さびしいさびしいのひづめもではられぬやうなことあるべし
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すでに一度で無く二度までもあったからで、それをお浪が知っていようはずは無いが、雁坂を越えて云々しかじかと云いあてられたので
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
リヴァースの『トダ人族篇』にいわく、トダ人信ずある特殊の地を過ぐるに手を顔にあてて四方を拝せずば虎に食わると。
アラビア人など駿馬が悪鬼や人の羨み見る眼毒にあてらるるを恐るる事甚だしく、種々の物をびしめてこれを避く。
狼児らうじ狼狽らうばいしてことごと遁失にげうせ、又或時は幼時かつて講読したりし、十八史略しりやくちゆうの事実
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
不昧公が着いたのは、欠伸がちゆうぱらと変つてゐた時なので、前々からこらした饗応もてなしの趣巧も、すつかり台なしになつてゐた。
相変らず話のちゆう折折をりをりどもるのも有り余る感想が一時に出口に集まつて戸惑ひする様でかへつて頓挫の快感を与へる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「いよ/\お別れが来ました。二三日ぢゆう貴方方あなたがたと別れなくつちやならんかも知れん。」軍曹はいぬのやうに悲しさうな眼つきをして言つた。
「さうよ。そんな仕事に驚くやうぢや、手前たちはまだ甘えものだ。かう、よく聞けよ。ついこのぢゆうも小仏峠で、金飛脚かねびきやくが二人殺されたのは、誰の仕業だと思やがる。」
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
このぢゆう申し上げた滋賀津彦しがつひこは、やはり隼別でも御座りました。天若日子でも御座りました。てんに矢を射かける——併し極みなく美しいお人で御座りましたがよ。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その晩は、更けて月がノボつた。身毒は夜ナカにふと目を醒ました。見ると、信吉法師が彼の肩を持つて、揺ぶつてゐたのである。
身毒丸 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「外の女よりはきらい、私が自分でお金をとる様になったら部屋中机のナカ中にまきちらして置いたらと思ってるほどだから……」
芽生 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
家郷追放カキョウツイホウ吹雪フブキナカツマトワレ、三人サンニンヒシト
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
母「へえ、旅のもんでござえますが、道中で塩梅あんべえが悪くなりましてね、快くなえうち歩いて来ましたから、原なけえ掛って寸白が起っていとうごぜえますから、観音様のお堂をお借り申しました」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わし厄介やっけえになってると、金松かねまつと云う奴がいて、其奴そいつこわれた碌でもねえ行李こりを持っていて、自分の物は犢鼻褌ふんどしでも古手拭でもみんな其んなけえ置くだ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
早「あんたの袂のなけえたものをわしほうり込んだ事があるだ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此花の一弁ヒトヨウチに、百種モヽクサコトぞ籠れる。おほろかにすな(万葉巻八)
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
唱詞は、所謂祝詞で、長い語詞のウチのものが脱落して、後に残つた、有力な部分が、歌である。
呪詞及び祝詞 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此で「天下茶屋聚テンガヂヤヤムラ」の役と言ふ役は、彼の手のウチの物ばかりの気がする。
勘次かんじとり拔毛ぬけげいたちたのではないかといふ懸念けねんいだいて其處そこぢうくまなくた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しろけて其處そこぢうおびたゞしく散亂さんらんした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「それ御らんなさい。あなたは一家族ぢう悉く馬鹿にして入らつしやる」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なかの廊下の入口に近い黒部川の河原に天幕を張って、流木を山のように積み上げ、一間四方もある焚火を絶さずに、暖い一夜を過した翌日、赤牛岳に登る目的で、黒部川の支流東沢を遡って行きました。
日本アルプスの五仙境 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
唯一度数河乗越すごのっこし附近を通る人にとろりとした青黒い色の流れをちらと覗かせて、再びなかの廊下の崖下に隠れたまま、東沢の合流点近くなるまでは、容易たやすく人の寄り付くことを許さない。
黒部峡谷 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
その年のうちにも三月二十八日に閑院大納言、四月十日にはなかの関白。
余録(一九二四年より) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
草刈くさかりながに、子供こどもて、去年きよねんくれ此處こゝ大穴おほあなけたのは
すすぎのながぢあがる
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
すすぎのながさ立ぢあがる
鹿踊りのはじまり (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
このヂユウ申し上げた滋賀津彦シガツヒコは、やはり隼別でもおざりました。天若日子アメワカヒコでもおざりました。テンに矢を射かける——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
このヂユウ申し上げた滋賀津彦シガツヒコは、やはり隼別でもおざりました。天若日子アメワカヒコでもおざりました。テンに矢を射かける——。併し、極みなく美しいお人でおざりましたがよ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
このヂユウ申し上げた滋賀津彦シガツヒコは、やはり隼別でもおざりました。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
○本朝文粋ぶんすゐあげたる大江匡衡まさひらの文に「天満自在天神或は塩梅於天下てんかをあんばいして輔導一人いちにんをほだうし(帝の御こと)或月於天上てんしやうにじつげつして臨万民まんみんをせうりんすなかんづく文道之大祖ぶんだうのたいそ風月之本主ふうげつのほんしゆなり」云云。
○本朝文粋ぶんすゐあげたる大江匡衡まさひらの文に「天満自在天神或は塩梅於天下てんかをあんばいして輔導一人いちにんをほだうし(帝の御こと)或月於天上てんしやうにじつげつして臨万民まんみんをせうりんすなかんづく文道之大祖ぶんだうのたいそ風月之本主ふうげつのほんしゆなり」云云。
相手「予等ハ此地点ニ通リカカルヤ、一大驚異イチダイキョウイヲ発見セリ。突然予等ノ行手ユクテニ銃ヲシテ立チ防ガリタル一団アリ。彼等ハ異様イヨウ風体フウテイヲナシ身ノタケ程ノ雑草ザッソウチュウヒソミ居リシモノナリ。全身ニ毒草ドクソウノヨウナモノヲツケタルモ、……」(判読不能)
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
だから中国の書物にある栭栗または杭子を我がサヽグリにあて、茅栗を我がシバグリにあて、板栗を我がタンバグリにあて、山栗を我がチュウグリにあてるのはみな間違いで、これらはことごとく支那栗すなわちアマクリの内の品種名たるにほかなく、断じて我が日本のクリに適用すべき名ではないことを銘記していなければならない。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
この若い者が戦争いくさに出るとは誠に危ない話で、流丸りゅうがんあたっても死んで仕舞しまわなければならぬ、こんな分らない戦争に鉄砲をかつがせると云うならば
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
成程なるほど今戦争になれば焼けるかも知れない、又焼けないかも知れない、仮令たとい焼けても去年の家が焼けたと思えば後悔も何もしない、少しも惜しくないといって颯々と普請をして、果して何のわざわいもなかったのは投機商売のあたったようなものです。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
(おらもあだつでもいがべが)
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
これを射てあつれば蛇すなわち死す
少年せうねんゆびさかたながめると如何いかにも大變たいへん! 先刻せんこく吾等われら通※つうくわして黄乳樹わうにうじゆはやしあひだより、一頭いつとう猛獸まうじういきほいするどあらはれてたのである。
女房もそれなりに咽喉のどほの白う仰向あおむいて、目を閉じて見る、胸のうらの覚え書。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
寒気は骨のしんまで突き通す
サガレンの浮浪者 (新字新仮名) / 広海大治(著)
四こくはうみのたかにこそあれ
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
舞の群の少女らは華麗のきぬを身に纏ひ、 595
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
ちゆふ老人の帳場番頭の居ること、制服のギヤルソンが二三人うやうやしさうに立つて居ること、これ等はどの国の旅館ホテルも少しの違ひがない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
……(下人に)やい、そちはヹローナぢゅう駈𢌞かけまはって(書附を渡し)こゝ名前なまへいてある人達ひとたち見附みつけて、今宵こよひわがやしきねんごろ御入來ごじゅらいをおまうすとへ。
「あら。アさん、何を言っているのよ。今時急にそんな事……。」
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)