“山中”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やまなか41.4%
さんちゅう25.7%
さんちゆう12.9%
さんちう5.7%
やまじゅう4.3%
やまぢう4.3%
やまんなか2.9%
ヤマナカ1.4%
やま1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
九州の窮介きゅうすけ、吉野のくず山中やまなかの片栗というような本場ものでやると、料理も完全なものになる。そんな葛も築地の珍味店に行くとある。
琥珀揚げ (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
その褐色かっしょくに黒い斑紋はんもんのある胴中は、太いところで深い山中さんちゅうの松の木ほどもあり、こまかいうろこは、粘液ねんえきで気味のわるい光沢こうたくを放っていた。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
騎兵大隊長きへいだいたいちやう夫人ふじん變者かはりものがあつて、いつでも士官しくわんふくけて、よるになると一人ひとりで、カフカズの山中さんちゆう案内者あんないしやもなく騎馬きばく。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
山中さんちううらにて晝食ちうじき古代こだいそつくりの建場たてばながら、さけなることおどろくばかり、斑鯛ふだひ?の煮肴にざかなはまぐりつゆしたをたゝいてあぢはふにへたり。
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はだかった胸と、あらわになった両脚を吹く涼しい風を感じながら、遠く近くからまばらに聞こえて来るツクツク法師の声に耳を傾けていた。山中やまじゅうの静けさがヒシヒシと身にみ透るのを感じていた。
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
折角せつかく御越おこしやさかい、山中やまぢうさがしましたがたつたぽんほか見附みつかりまへなんので、えらどんこととす」
茸の香 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
「去年の十二月、来たんですが、山中やまんなかから、はア出て来たもんだで、為体えていが分らないでえら困りやした」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
轟々ごうごうの音をたてて走る。イマハ山中ヤマナカ、イマハハマ、イマハ鉄橋、ワタルゾト思ウ間モナクトンネルノ、闇ヲトオッテ広野ヒロノハラ、どんどん過ぎて、ああ、過ぎて行く。
(新字新仮名) / 太宰治(著)
借金かりが出来る、田地は段々にひとの物になる、旦那今ま此の山中やまで、自分の田を作つて居るものが幾人ありますかサ、——其上に厄介やつかいなものがありますよ、兵隊と云ふ恐ろしい厄介物が
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)