“他”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほか44.4%
た22.8%
ひと15.8%
よそ7.9%
わき2.4%
はた2.0%
あだ1.5%
かれ0.9%
か0.3%
あと0.3%
あれ0.3%
さき0.2%
ヒト0.2%
こと0.2%
よ0.2%
ホカ0.2%
むかふ0.1%
そ0.1%
それ0.1%
たの0.1%
をさ0.1%
ホガ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
他(ほか)の鳥(とり)たちは、からすの勇気(ゆうき)に感心(かんしん)しました。いままで、ばかにされたからすが、いちばんりこうな鳥(とり)といわれるようになりました。
からすとかがし (新字新仮名) / 小川未明(著)
小酒井不木氏の探偵小説は、専門の智識を根底とし、そこへ鋭い観察眼を加え、凄惨酷烈の味を出した点で、他(た)に殆ど匹儔(ひっちゅう)を見ない。
大衆物寸観 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
他(ひと)の手に封じられた、仔はどうして、自分で笊が抜けられよう? 親はどうして、自分で笊を開けられよう? その思(おもい)はどうだろう。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いや、これに対しても、いまさら他(よそ)の家(うち)へとも言いたくなし、尤(もっと)も其家(そこ)をよしては、今頃間貸(まがし)をする農家ぐらいなものでしょうから。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何うも身装(みなり)が悪いと衆人(ひと)の用いが悪いから、羽織だけは他(わき)で才覚したが、短かい脇差を一本お父さんに内証で持って来てくれねえか
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
物事は他(はた)で見るほど心配になるものではなく、どうするかと見ていた梯子の問題は、米友の一存で手もなく片づけてしまいました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
知らず識らず陥(はま)り込んだ女が、他(あだ)し人の手に身受けされようとする噂を聞き込んで、矢も楯もたまらずに、彼は南条の勧誘に従いました。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一四一他(かれ)善果(ぜんくわ)に基(もとづ)きて遷化(せんげ)せしとならば、一四二道に先達(せんだち)の師ともいふべし。又活きてあるときは一四三我がために一個(ひとり)の徒弟(とてい)なり。
他(か)れもまた少しく恐れて、件(くだん)の鯀化、黒面などを呼びよせ、洞ちかく守護さしつつ、自身(おのれ)も佻々(かるがる)しく他出(そとで)したまはざりしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
鬼は、手拭(てぬぐい)で堅く両眼(りょうがん)を閉められて、その石の間に立たされた。而(そ)して他(あと)のものは、足音を立てずに何処(どこ)へか隠れてしまった。
過ぎた春の記憶 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「他(あれ)は番町の方の鰐淵と申す、地面や家作などの売買(うりかひ)を致してをります者の手代で、間(はざま)とか申しました」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「尤(もつと)も年寄だから嫌ふ、若いから一概に好くと申す訳には参りませんでございます。いくら此方(こつち)から好きましても、他(さき)で嫌はれましては、何の効(かひ)もございませんわ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それが後に應仁の亂の時分になると、自分のものを質において博奕をやるのでは詰らないといふので、他(ヒト)の財産を賭けて博奕をやるやうになりました。
応仁の乱に就て (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
先づ喜(うれ)しきここちしてあゆむに、家は故(もと)にかはらであり、人も住むと見えて、古戸(ふるど)の間(すき)より灯火の影もれて輝(きら)々とするに、八二他(こと)人や住む、もし八三其の人や在(いま)すかと心躁(さわが)しく
ここにおいて泰助も、と胸を吐(つ)きて途方に暮れぬ。他(よ)の事ならず。得三は刀を手にし、短銃(ピストル)を腰にしたり。我泰助は寸鉄も帯びず。相対して戦わば利無きこと必定なり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
コーヒー飲(ノ)ンデ明日(アス)知(シ)レヌ命(イノチ)見(ミ)ツメ、溜息(タメイキ)、他(ホカ)ニ手段(シュダン)ナキ、コレラ一万(イチマン)ノ青年(セイネン)ヲ思(オモ)エ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
遊「もうそれも度々(たびたび)なのでね、他(むかふ)は書替を為(さ)せやうと掛つてゐるのだから、延期料を握つたのぢや今日は帰らん」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
車は駛(は)せ、景は移り、境は転じ、客は改まれど、貫一は易(かは)らざる他(そ)の悒鬱(ゆううつ)を抱(いだ)きて、遣(や)る方無き五時間の独(ひとり)に倦(う)み憊(つか)れつつ、始て西那須野(にしなすの)の駅に下車せり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
舀他一勺亦何妨 他(それ)を一勺(いっしゃく)舀(く)むに亦(ま)た何(なん)ぞ妨(さまた)げん〕
一夕 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
尚瑞暲(ずいしょう)北宝(ほくほう)も見えざるを以て、或は昨夜熊害の他(たの)馬匹にも及ぼす事あるかとて、王藏に命じて尚馬匹を集めて調査するに、瑞暲北宝両種馬(しゅば)の見えざるをもって深く案じたるも
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
御子沼名倉太玉敷(ぬなくらふとたましき)の命一、他(をさ)田の宮二にましまして、一十四歳(とをまりよとせ)、天の下治らしめしき。
吾(ワ)だケエに十年も後家(ごけ)立デデせ、他(ホガ)の家(エ)ガら童(ワラシ)貰(もら)て藁(わら)の上ララ育(そだ)デデ見デも、羸弱(キヤな)くてアンツクタラ病氣ネ罹(トヅガ)れデ死なれデ見れば、派立(ハダヂ)の目腐(めくさ)れ阿母(アバ)だケヤエに八十歳(ハチヂウ)の身空(みそら)コイデ
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)