“ほか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ホカ
語句割合
62.0%
34.2%
他家0.5%
他所0.5%
以外0.4%
0.3%
放下0.3%
他事0.2%
他処0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
他人0.1%
他地0.1%
何処0.1%
外他0.1%
外家0.1%
帆掛0.1%
放擲0.1%
放棄0.1%
時分外0.1%
0.1%
自餘0.1%
0.1%
補鍋0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それは知らなかった、——ほかの事なら知らん顔もするが、『疾風』がこの辺へ入込むようじゃ放っちゃおけねえ。行ってみようか」
さればそれより以前には、浅草から吉原へ行く道は馬道のほかは、みな田間でんかんの畦道であつた事が、地図を見るに及ばずして推察せられる。
里の今昔 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
親が手を突いて頼むが、何うかまア他家ほかさまならねげにくいが、此方こちらさまだから悪くもして下さるめえから、此方さまへ奉公して、二年か三年辛抱してくれゝば
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
隅田川筋一帶がさうではあるが、他所ほかは近代的美を徐々に造りつつあるとき、兩國橋附近もぢきにさうなるであらう。
花火と大川端 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
その完全な発狂を予期しつつ、この曠古こうこの学術実験を行った……と云えば、吾輩より以外ほかに誰があるか……
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一羽の雞羽たゝきして時ならぬに為晨ときをつくりければほかのにはとりもこゝにあつまりてこゑをあはせけり。
左に推させ、と右へ、捻ぢ回したる打擂すまひ本手てなみに、さしもたけたる須本太牛は、おぞ頑童わらべ放下ほかさるる猪児ゐのこごと地響ぢひびきして摚と仰反り倒れけり——と描写している。
越後の闘牛 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
他事ほかぢやねえが、猪子で俺は思出した。以前もと師範校の先生で猪子といふ人が有つた。今日の御客様は彼人あのひととは違ふか。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
クビにされたら他処ほかで使はれる当はなし、僕はまるで、まつくらな毎日なんだから……
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
その點に於て自分は、此の「鳥のなげき」にかへて、どんな序文でもいゝからほかのものであつてくれゝばよかつたと思ふ。
それよりほか七十七王ななまりななはしらのみこは、悉に國國の國の造、またわけ稻置いなぎ縣主あがたぬしに別け賜ひき。
事情をお聞きにならない事には、退院させる訳には行かぬと仰有おっしゃるのですね。イヤ。重々御尤ごもっともです。それでは事情を一通りお話し致しますが……しかし他人ほかへお洩らしになっては困りますよ。
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
きゃつがここへ出て来たところをみると、同類が他地ほかでなにかっているに相違ないと白眼にらんだのだ。思いあたるところがあるから、エリク・ヘンダスンは、その夜のうちにアフガニスタンへ飛ぶ。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
然らば学校にいる時に最注意することは、技術芸能でなくて人生の理想を養うことである。飯をたいたり漬物をつける位は何処ほかでも習える。然れど理想は学校でなくば容易に得られぬ。
女子教育に就て (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
登山そのものの外他ほかに何等の目的が有る可き道理はない。
秩父の奥山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
また乃公おれも、妙でないやうに、考へる処もあるなれば、いつそ外家ほかへ行つてくれた方が、かへつて世話がしよからふと、思ひ付いたからの事。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
ちかごろ彼の家中風俗を町でも“伯耆様ほうきよう”と呼んでいるほど、いつのまにか都振りにんで、恩賜おんしの“帆掛ほかもん”を、旗、道具、衣裳につけ、その行装の華奢かしゃなこと、たれにも負けない風だった。
村をめられたが憎くねえだし、またそれまでに思わっしゃるものを、ただわかりましねえで放擲ほかしては、何かわし、気が済まねえ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「川の中へ放棄ほかし込んだ、……確に、新聞紙に包んだ可なり重量の有るものは、あれは何ですか。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(その時分外ほかに若い男のお客なぞはなく、ほとんど子供と女ばかりだったので、附文の主は立所たちどころに分る筈だ)
木馬は廻る (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
定めて重要事件の打ち合せなるべしと思いほかれるには似もやらず、痴呆たわけの振舞、目にするだにけがらわし、アア日頃頼みをかけし人々さえかくの如し、他の血気の壮士らが
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
見學の人達は好奇ものずきな眼をあげて彼れの顏に表はれる感情を竊かに讀まうとした。彼れの隻眼かためは、いつものやうに鋭く輝く外には、容易に自餘ほかの意味を語らなかつた。
実験室 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
あくうらに有者はてんこればつあくほかあらはるゝ者は人是をちうすとかやさても吾助は宅兵衞を易々やす/\ころくわい中の金五兩二分と脇指わきざしうばひ取其上足手搦あしてがらみなるお兼さへ其處に命を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
王之臣おうししん補鍋ほかもって生計を為さんとして老補鍋ろうほかと称し、牛景先ぎゅうけいせん東湖樵夫とうこしょうふと称し、各々おのおの姓をうずめ名を変じて陰陽いんよう扈従こしょうせんとす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)