“うっちゃ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
打棄47.8%
打捨22.1%
打遣11.0%
放抛4.4%
放擲2.9%
放棄2.9%
打抛2.2%
1.5%
抛棄1.5%
投擲0.7%
放下0.7%
抛擲0.7%
放捨0.7%
放置0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
下僕しもべは「それでもいうたら大変に怒られるから仕様しようがない。」「そんならこの儘打棄うっちゃって置いてもよいか。一月かかってもよいのか。」
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「なるほど。」と蘿月は頷付うなずいて、「そういう事なら打捨うっちゃっても置けまい。もう何年になるかな、親爺おやじが死んでから……。」
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「それにしちゃ馬鹿に遅いじゃねいか。何だかこの節お上さんの様子が変だぜ、店の方も打遣うっちゃらかしにして、いやにソワソワ出歩いてばかりいるが……」
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
それでも四五日何事もなく経過すると、やっと解放されたような気がしてほっと安心します。こんな状態ようですから、先生、どうも放抛うっちゃっておけないんです。
誰? (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
金剛寺坂こんごうじざか笛熊ふえくまさんというのは、女髪結おんなかみゆいの亭主で大工の本職を放擲うっちゃって馬鹿囃子ばかばやしの笛ばかり吹いている男であった。按摩あんま休斎きゅうさいは盲目ではないが生付いての鳥目とりめであった。
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「組合は組合で放棄うっちゃって置け、彼らの書いた種が上がれば、相手にする必要はない。文句をいって来たら、人名録を突き附けて先方の落ち度を抑えてやれば好い。放棄ほうって置け放棄って置け」
おはま 打抛うっちゃっておおき。大所帯を張ってると内輪同士の争いは珍しかない、一々気にとめていられるものかね。それよりかお登世。早く顔を出しといで。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
うっちゃっておけ! その方が安泰だ、医者を呼ぶには当らんぞう」
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
かれはまたかかる位置いちになってからも、ひと自分じぶん抛棄うっちゃってはいてくれぬのが、かえって迷惑めいわく残念ざんねんであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
『だからね、母が何と言っても所天あなた決して気にしないで下さいな。気狂きちがいだと思って投擲うっちゃって置いて下さいな、ね、後生ですから。』
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『そういうことなら投擲うっちゃって置く訳に行かない。』と僕はいきなり母の居間に突入しました。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
しかし万一ひょっともし盗んでいたとすると放下うっちゃって置いてはあとが悪かろうとも思ったが、一度見られたら
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
戸外そとに積んだまま、平時いつも放下うっちゃって置くからです」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ラシイヌは心でこう思って飽気あっけないような表情をしたが、ダンチョンを抛擲うっちゃっても置けないので、彼を旅宿やどまで運ぶための自動車を探しに街の方へ、大速力で走って行った。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
していやがったが、よくよくおれに愛想あいそをつかしゃアがったと見えてよそへ片付いてしまやアがったんで、つい娘や子供の事もそれきり放捨うっちゃって置いたんだがね、数えて見るともう十八だ。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「その寝言にも程がある、三岳の村方一統へ、迷惑を掛けようっていうんだからな。こいつ放置うっちゃっちゃあ置かれねえ」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)