放棄うっちゃ)” の例文
「まア、真実ほんとに油断がならないね。大丈夫私は気を附けるが、お徳さんもられそうなものは少時ちょっとでも戸外そと放棄うっちゃって置かんようになさいよ」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「組合は組合で放棄うっちゃって置け、彼らの書いた種が上がれば、相手にする必要はない。文句をいって来たら、人名録を突き附けて先方の落ち度を抑えてやれば好い。放棄ほうって置け放棄って置け」
すると昨年の十一月から伊之助が業病ごうびょうに取附かれまして、その足へ腫物しゅもつが出来まして、どうも痛んでこらえられないばかりでなく、放棄うっちゃって置くと漸々だん/″\腹の中まで腐れ込むと医者が申しますで
こちゃ登り詰めたるやまけの「ま」がければ残るところの「やけ」となるは自然の理なり俊雄は秋子に砂浴びせられたる一旦の拍子ぬけその砂はらに入ってたちまちやけの虫と化し前年より父が預かる株式会社に通い給金なり余禄よろくなりなかなかの収入とりくちありしもことごとくこのあたりのみぞ放棄うっちゃ経綸けいりんと申すが多寡が糸扁いとへんいずれ天下てんが
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)