“放縦”のいろいろな読み方と例文
旧字:放縱
読み方割合
ほうじゅう60.3%
ほうしょう25.9%
ほしいまま6.9%
だら1.7%
はうじゆう1.7%
ほしいまゝ1.7%
ケヤレス・フリードム1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
モンマルトルは相も変わらず放縦ほうじゅうな展覧会が開催されて、黒い山高帽の群とメランコリックな造花の女が、右往左往していました。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
そのうち自然に放縦ほうしょうにもなって、幾人いくたりもの恋人を持ちましたが、その中で可憐かれんで可憐でならなく思われた女としてその人が思い出される。
源氏物語:22 玉鬘 (新字新仮名) / 紫式部(著)
こうお種は言って、土地の風俗を蔑視さげすむような眼付をした。楽しそうな御輿の響は大切な若い子息むすこ放縦ほしいままな世界の方へと誘うように聞える……お種は正太のことを思ってみた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「おい、君たちの生活はすこし放縦だらしなさ過ぎると思わんか。そんな廃頽的な生活ばかりしていていいッてことはあるまい。すこし反省したらどうだ」
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
我国人に放縦はうじゆうの悪性質あるは、吾人の平素痛嘆する所なるが、この新事実は明かにこの性質を表示するものとす。試に問はん。彼の速かざる客はこの行為を以て何の目的を達せんとしたるか。
蛗螽いなごを捕つたり、野鼠を追出したりして、夜はまた炉辺ろばたで狐とむじなが人を化かした話、山家で言ひはやす幽霊の伝説、放縦ほしいまゝな農夫の男女をとこをんなの物語なぞを聞いて、余念もなく笑ひ興じたことを憶出おもひだした。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
一体俺は筆を執るにあたつて成りゆきのことなどはあまり意に介しない放縦ケヤレス・フリードムに慣れてゐるのだがそんなに脆く行き詰るとは夢にも思はなかつたのさ。
蔭ひなた (新字旧仮名) / 牧野信一(著)