“憶出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもいだ57.7%
おもいで19.2%
おもひだ11.5%
おもいいだ3.8%
おもひい3.8%
おもひいだ3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『新著百種』について憶出おもいだされるは薄倖はっこうの作家北村三唖きたむらさんあである。三唖は土佐の生れで、現内閣のバリバリで時めいてる仙石貢せんごくみつぐ親戚しんせきである。
その折諸君のまちまちの憶出おもいでを補うために故人の一生の輪廓を描いて巻後に附載したが、草卒の際序述しばしば先後し、かつ故人を追懐する感慨に失して無用の冗句をかさ
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
いつも御写真に向ひ候へば、何くれと当時の事憶出おもひだし候中に、うつつとも無く十年ぜんの心に返り候て、苦き胸もしばしすずしく相成申候。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
うれしそうに人のそわつくを見るに付け聞くに付け、またしても昨日きのうの我が憶出おもいいだされて、五月雨さみだれ頃の空と湿める、嘆息もする、面白くも無い。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
あへて恋しとにはあらねど、苦しげにやつれたる宮が面影おもかげの幻は、かしらめぐれる一蚊ひとつかの声の去らざらんやうに襲ひ来て、彼が切なる哀訴も従ひて憶出おもひいでらるれば、なほ往きかねて那辺そこらに忍ばずやと
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
貫一は愕然がくぜんとして二人のおもてを眺めたりしが、たちまち身の熱するを覚えて、その誰なるやを憶出おもひいだせるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)