“薄倖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はっこう74.1%
ふしあはせ11.1%
ふしあわせ3.7%
はくかう3.7%
はくこう3.7%
はつこう3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
年取って薄倖はっこうりょうの母すらも「亮は夭死ようしはしたが、これほどまでに皆様から思っていただけば、決してふしあわせとは思われない」
亮の追憶 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
お前だけはおれの話を信じて、おれといつしよに、あの薄倖ふしあはせな水死女の魂の安息のために祈るだらうから!
どうしたら証明ができましょうか、どうしたら信念が得られましょうか? ほんとにわたくしは薄倖ふしあわせでございます。
私はこの二巻のうちに、特に前者を推したいのである。後者には佳作は一二しか見えぬ。(五)彼の評伝は一冊もない。オウ・ヘンリイに比べると、此処ここでも彼は薄倖はくかうである。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
われら薄倖はくこうの詩人は田園においてよりも黄塵こうじんの都市において更に深く「自然」の恵みに感謝せねばならぬ。
彼の貧きは万々人の富めるにまされり。君子なる吾友わがともよ。さしも潔き志をいだける者にして、その酬らるる薄倖はつこうの彼の如くはなはだしく酷なるを念ひて、貫一はそぞろ涙の沸く目を閉ぢたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)