未だ宵ながら松立てる門は一様に鎖籠めて、真直に長く東より西に横はれる大道は掃きたるやうに物の影を留めず、いと寂くも往来の絶えたるに、例ならず繁き車輪の輾は、或は忙かりし、或は飲過ぎし年賀の帰来なるべく、疎に寄する獅子太鼓の遠響は、はや今日に …
著者 | 尾崎紅葉 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「読売新聞」1897(明治30)年1月1日~1902(明治35)年5月11日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約8時間28分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約14時間7分(300文字/分) |