“敏捷”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
びんしょう65.9%
すばしこ8.4%
びんせふ7.5%
すばや5.6%
すばし1.9%
はしっこ1.9%
はしこ1.4%
すばしっ0.9%
すばしっこ0.9%
てきぱき0.9%
(他:10)4.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“敏捷”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語19.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語4.0%
文学 > 日本文学 > 日本文学3.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「ハハハハなるほど敏捷びんしょうなものだ。それじゃ御互になるべく食う事にしよう。敏捷にせんと、卒業してから困るからな」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それは、まったく翡翠かわせみくいの上から魚影をうかが敏捷びんしょうでしかも瀟洒しょうしゃな姿態である。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
金春家の主人はさう聞いて、直ぐ手を延ばして香を取り戻しにかゝつたが、豊和は敏捷すばしこ内懐中うちふところにしまひ込んでしまつた。
そしてキャ、キャーン! ともう一声飛び上ると、この犬がどうしてこんなに敏捷すばしこくと思われるほどの速さで、一目散に扉の外へ飛び出した。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
おつぎは勘次かんじ敏捷びんせふあざむくにはこれだけのふか注意ちういはらはなければならなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
木の上ではあれだけ敏捷びんせふな猿でも水の中では一尺も泳ぐ事が出来ないのです、猿の一番禁物は水なのです。
山さち川さち (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
犬のような敏捷すばやさで方角をぎ慣れている漁夫たちも、今は東西の定めようがない。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
敏捷すばやい、お転婆なのが、すっと幹をかけて枝に登った。、松の中に蛤が、明く真珠を振向ける、と一時ひとしきり、一時、雨の如く松葉がそそぐ。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そういう場合における米友は注文より以上に敏捷すばしっこいので、女を水物みずものにしてしまうようなことはなく、お玉がおっこちるが早いか直ぐに腕を取って引き上げてしまいました。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
渡せ! さあさあ、二品を渡せ! いやか、老耄おいぼれ、いやというなら斬るぞ! ……これ、俺様はな、強い男だ! その上途方もなく敏捷すばしっこい男だ! 皆さまも大変怖がってくださる。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いかにも露助らしい名だと思えた。イワンの馬鹿ということがある。だが、この少年なかなか敏捷はしっこい。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「お前もなかなか敏捷はしっこくなったよ。話はそれから先が聞きものだ。」と重吉は笑う。玉子も傍から、
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ルバシュカが晝食の折階下へ降りた間を見計つて、彼は、編輯室に鼠のやうにする/\と走つて行つて、敏捷はしこくルバシュカのバットの吸さしを盜んだ。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
「一ちゃんはなかなか敏捷はしこいようですね」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
すると二葉亭は眼を細くして、「ドウモ敏捷すばしっこいやつだ!」と莞爾々々にこにこしながら悦に入ったもんだ。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
敏捷すばしっこく動く眼と、ロマンティックな顔の所有主だったとある。
浴槽の花嫁 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
(きゃつこそ猿だ! なんという敏捷すばしっこさ!)
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あいつは、あの通り小兵だけれども、肉のブリブリと締まっていることを見ろ、あれで力のあることが大したものなんだ、身体のこなしの敏捷すばしっこいことと言ったら木鼠きねずみのようなもので、槍をつかわせては日本一だ」
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
アンドレイ、エヒミチは院長いんちょうとしてそのしょくいたのちかかる乱脈らんみゃくたいして、はたしてこれを如何様いかよう所置しょちしたろう、敏捷てきぱき院内いんない秩序ちつじょ改革かいかくしたろうか。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
アンドレイ、エヒミチは院長ゐんちやうとして其職そのしよくいたのちかゝ亂脈らんみやくたいして、はたしてこれ如何樣いかやう所置しよちしたらう、敏捷てきぱき院内ゐんない秩序ちつじよ改革かいかくしたらうか。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
女とあなどったものか二人が前後から立ち寄って来るのを若侍はサッと払いけた。思いもかけぬ敏捷はやさで二三足横に飛んだと思うと、松の蔭から出て来た平馬にバッタリ行き当った。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
流石に商人あきうどは目が敏捷はやかつた。
重右衛門が自身手を下すのでなく、この獣のやうなむすめ吩附いひつけて火をけさせるのだから、重右衛門と言ふ事が解つて居ても、それを捕縛するといふ事は出来ず、さればと言つて、娘つ子は敏捷すばしこくつて
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「それが、彼奴きやつが実行するのなら、無論見付けない事は無いだすが、彼奴の手下にあまが一人居やして、そいつが馬鹿に敏捷すばしつこくつて、丸で電光いなづまか何ぞのやうで、とても村の者の手には乗らねえだ」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
その大股にノッシノッシと歩く又野の右側から、チョコチョコといて来る小柄な男は、油差しの戸塚という青年で、敏捷はしこいらしい眼に鉄縁てつぶちの近眼鏡をかけている。
オンチ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
飯を済ましたところへ、小原という会社の男が遊びに来た。三十少し出たくらいの、色の蒼白い、敏捷はしっこそうな目をした小柄の男で、給仕から仕上げたのだということを、お庄は後で聞いた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
その身體しんたい敏捷びんしやううごこととどんないたにもいたかほをせぬこと
そこで、敏捷びんしような女には違無い、自然と高利アイスの呼吸を呑込んで、後には手の足りん時には禿の代理として、何処どこへでも出掛けるやうになつたのは益す驚くべきものだらう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
くべきときためにのみうまれてかへる苅株かりかぶかへし/\はたらいて人々ひと/″\周圍しうゐから足下あしもとからせまつて敏捷びんせううごかせ/\とうながしてまぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
はいって来たのは小間使とはいいながら、軽妙な敏捷スマートさなぞの少しもない、どこか鈍重とも評したいほど田舎染みて、口の重そうな縮れ髪の女であった。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)