“敏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さと59.3%
びん11.5%
とし7.1%
はや7.1%
3.5%
はし2.7%
すば1.8%
さとし0.9%
かしこ0.9%
ざと0.9%
0.9%
すばや0.9%
とく0.9%
はしっこ0.9%
サト0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
盲人のさとき習として、少女はその常の錢ならぬを知りたるなるべし、顏は燃ゆる如くなりて、そのすこやかに美しき唇は我手背に觸れたり。
よくいえば、機を見るにびんなやつ。悪くいえば抜け目ない横着者だ。が、よかれあしかれ、彼が二心なしといってきたのは、大きな幸せ。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「まあ、なんて、気味きみのわるいいぬでしょう。」と、女中じょちゅうがいって、みずをかけようとしたのをとしちゃんは、やめさせました。そして
母犬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こういう風であったから、自然、前に申した平尾賛平氏などが、商人だけに物を見る目がはやく、私の境遇を察し援助して見る考えを起されたかと思われます。
き導者に似たる動作みぶりと聲とをもて重ねていふ。われらはいと大いなる體を出でゝ、純なる光の天に來れり 三七—三九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ひとりは、左のこぶし放鷹たかを据え、獲物を入れる網ぶくろを、大小と反対のほうへげ、うしろに、はしこそうな茶いろの猟犬をつれていた。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その次の彼の女の行動は、全く思いも設けぬすばしっこさであった。彼の女はクルリっと自転車をまわすと、一目散にその男の方に突進して行った。
いま廿日はつかつきおもかげかすんで、さしのぼには木立こだちおぼろおぼろとくらく、たりや孤徽殿こきでん細殿口ほそどのぐちさとしためにはくものもなきときぞかし。
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ば手に入んこと外になし此婚姻こんいんさまたげせばかれ自然おのづから此方こなたなびかんあゝ然なりと思案せしが此方策はうさくこうはてついては惡き事に掛てはかしこき者は兄の元益是に相談なして見ばやと先元益が方へ至るに博奕ばくちまけこみたるか寢卷ねまき一枚奧の間にすゝぶりゐたるが夫と見てたれかと思へば弟の庄兵衞何と思つて出て來たか知ねど兄に無禮ぶれい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ざとく見つけて駈け寄って来ました。
仁王門 (新字新仮名) / 橘外男(著)
それはまったく、電光のようなばやさで、ハッと感じた小保内も、剣を引く隙がなく、余勢が孔雀の心臓を貫いてしまった。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その行動のすばやいことといったら、どうも人間業とは思えなかった。高い石垣を見上げたと思うと、ヒョイと長い手を伸ばして、バネ仕掛けのように飛び越えた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
盜みし當人のいでざる中は文右衞門の片口かたくちのみにてゆるわけには成り難く尤も百兩の紛失ふんじつは言掛りなしたる久兵衞こそあやしき者なれととく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「跳ね起きると共に一目散さ。はしっこいよ。二人に一人じゃかなわないと思ったのだろう」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
あれだな——、サトいらしい者と感じたのだが、やつぱり——思ふ通りの若者だつたな——。
死者の書 続編(草稿) (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)