“敵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたき46.5%
かな35.6%
てき12.3%
がたき2.2%
あだ1.2%
あた0.4%
あいて0.4%
むこう0.3%
あたき0.1%
0.1%
かた0.1%
かなわ0.1%
はむか0.1%
むかう0.1%
カタキ0.1%
ライヴァル0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それにその目の恨めしそうなのがだんだん険しくなって来て、とうとうかたきの顔をでもにらむような、憎々しい目になってしまいます。
高瀬舟 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「そんな人聞きの悪い事を言っちゃいけない——昨夜ゆうべ遅くまで麻雀マージャンを付き合って、寝が不足のせいだろう、頭痛がしてかなわないんだ」
葬送行進曲 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
みかんばたけの上に出ると、大池のつつみがみえました。そこに二十人くらいのてきが、手に手にかまを持っていました。草をかっていたのです。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
最初のうち伝さんは、その出迎男でむかえおとこを、何処かインチキなホテルの客引かなんかであろうと考えた。そして、五月蠅うるさい商売がたきだと思った。
三の字旅行会 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
おおやけあだ、私のあだ、どうかしてとっちめてやりたいものだ。だが、どうにも証拠がない。是非とも証拠を握らなければならない。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
されど彼より出づるにいたれる偉業をおもひ、彼の誰たり何たるをおもはゞ、衆惡のあたのめぐみ深かりしとも 一六—一八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
米は鍵屋あって以来の上客を得た上に、当のあいての蔵屋の分二名まで取込んだ得意想うべく、わざと後をおさえて、周章あわてて胡乱々々うろうろする蔵屋のむすめに、上下うえした四人をこれ見よがし。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
恩あるその人のむこうに今は立ち居る十兵衛に連れ添える身のおもてあわすこと辛く、女気の繊弱かよわくも胸をどきつかせながら、まあ親方様
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
てよ。出るはいが、出たらあたきの中へ飛び込むやうなもんだぞ。これでも此處だけは、俺の城だ、世界だ。そして俺の大權のもとにある………だから女を裸にいて置く權能もあるんだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
父は瞬間、顔を逆撫ぜにされた様な表情をみせたが、すぐと持前の、如何にもお人好らしい微笑をたたえて「これゃなわん」という様な眼色で慎作を見た。
十姉妹 (新字新仮名) / 山本勝治(著)
「するとあのが、かたき役と女形おやまと、二た役勤めたというんですか」
打った武芸者なんてひとりもいない。術の法のと、理窟はうまいが、持って生れたほんものの腕ぶしにはかなわねえのさ
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こは汝をしていかに深きことわりによりてかのいと聖なる旗に、これを我有わがものとなす者もはたこれにはむかふ者も、ともにさからふやを見しめん爲なり 三一—三三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
恩ある其人のむかうに今は立ち居る十兵衞に連添へる身の面をあはすこと辛く、女気の纎弱かよわくも胸を動悸どきつかせながら、まあ親方様
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
康正二年の萱振カヤブキ合戦に、カタキどうしに分れた両畠山、旗の色同じくて、敵御方の分ちのつきかねる処から、政長方で幟をつけたのが、本朝幟の始め(南朝紀伝)と言ふ伝へなども、信ずべくば
まといの話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
つまりこのほうが早いのだ。とは言え、そのライヴァルに当る長袴ジョゼット連中はそのまた短袴スカアト時代の次ぎに来るであろう長袴ジョゼット時代を生きているのかも知れなかった。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)