“あたき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
50.0%
50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あたきには立派な背後立うしろだてがありますから、この近江屋を今に根こそぎ貰い返してくれますとさ。まま大きな眼で御覧じろ——。」
この近江屋さんはあたきの店でござんす。なに、証文? そんな物は知りんせんが、家屋敷なら三つ並ぶ土蔵の構え、暖簾のれんから地所まで全部そっくり抜いてられました。
あたきの爺様の代に此店ここの先代という人にうまうま一杯められて——ああ口惜しい
てよ。出るはいが、出たらあたきの中へ飛び込むやうなもんだぞ。これでも此處だけは、俺の城だ、世界だ。そして俺の大權のもとにある………だから女を裸にいて置く權能もあるんだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)