“あたし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
50.0%
48.7%
1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「何故そんな怖い顔をして被在いらっしゃるの。あたし、𤢖じゃなくってよ。妾のばちで、貴下あなたは𤢖に酷い目に逢ったと云うじゃアありませんか。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あたし吃驚びっくりしていると、その手でひとつ、招き猫のような格好をしておいて、鼻の下へもっていって差恥はにかんだように首を縮めて笑う。
今もし試みにその腹をいたら、鬼が出るか仏が出るか、何の何の、鬼でもない仏でもない、「あらあたしのではお厭なの」、それあの花笄はなこうがいの小歌が今日見た水車の裾模様のまゝで出るのだ。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
懇親といえば懇親あえて益する所はなく、いっそ窮屈極まるものと思って居たが、「あらあたしのではお厭なの」、嬌喉きょうこう玉を転ばすが如きこの妙音が、たちまち小歌という大知己を得させたので
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)