“あた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アタ
語句割合
24.6%
22.1%
7.5%
7.4%
6.7%
5.0%
4.1%
3.3%
2.6%
2.0%
(他:160)14.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
佳句かくを得て佳句をあたわざるをうらみてか、黒くゆるやかに引けるまゆの下より安からぬ眼の色が光る。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
全くドームの中の鬼気きき人に迫る物凄ものすさまじさはドームへ入ったことのある者のみが、知りあたうところの実感だ。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それがむかふくるまあたつて、まはたび鋼鉄はがねの如くひかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ひとり謫天情仙じやうせんのみ舊にりて、言ふことまれなれども、あたること多からむことを求むるに似たり。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
そして、正直しょうじきな、あわれなひとたちに、幸福こうふくあたえてやりたいとこたえたのであります。
海からきた使い (新字新仮名) / 小川未明(著)
その人が身につけている物を、死んでまだはだのあたたかいうちにはぎとって、それをおのれの妻にあたえるなぞと、まあ
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
首筋のあたりで髪を切つて、そしてたゞちゞらせて垂らした人もあるが、さう云ふ人も床屋へ来て網を掛けさせて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ただあのあたりの風景にして気にかかる構成上の欠点は、図書館の近くにある豊国とよくに神社の屋根と鳥居とりいである。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
「彼はゲームの結果を知りたがっていた。さしあたり、君の大当りなんか、何といって彼が説明するだろうかなア。はッはッはッ」
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
代助もそれがからうと答へたなり、あとあたらず障らずの世間話せけんばなし時間じかんつぶしてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かぜさへぎられてはげしくはあたらぬそらに、蜘蛛くもほゝにかゝるもわびしかりしが
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あのお前達まへたち伯父おぢさんが、とうさんには一番いちばん年長うへにいさんにあたひとです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
れよりは自由じゆうにて其時そのとき幸福しやわせといふことばあたたまへとわらふに
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あつ刺戟しげきおどろくべき活動力くわつどうりよく百姓ひやくしやう手足てあしあたへる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
北村君は石坂昌孝氏の娘にあたる、みな子さんをめとって、二十五歳(?)の時には早や愛児のふさ子さんが生れて居た。
北村透谷の短き一生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それなら二葉亭は旧人として小説を書くにあたっても天下国家を揮廻ふりまわしそうなもんだが、芸術となるとそうでない。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
大自然だいしぜんの、悠然いうぜんとして、つちみづあたらしくきよ目覺めざむるにたいして
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
江戸えどからあたらしく町奉行まちぶぎやうとして來任らいにんしてから丁度ちやうど五ヶげつるもの
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
市村羽左衛門の登場——はいいが、なるほど今まで「あた」っていたらしく、しきりにあごのあたりを気にして拭いている。
「いえ、けっして何も、旦那、ただ顔をあたりにまいります途中で、河の流れが早いかどうかと、ちょっとのぞいてみましただけで。」
(新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
のみならず、陸上の倉庫へ突きあたり、運搬の時間を食らい、腐敗する上に於ては最も都合よき実物となって横たわり出したのだ。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
墜落する物音、唸り声、石にあたって跳ね返る弾丸の律動と一緒に、戸が白い粉を噴きながら、見る間に穴を開けていった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
極めて荘重な足取で、半歩ほど前に進み出て、あたかも神前で何事かを誓うかのように、両手を前に握り合せつつ私を見下した。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そして彼女達の手にある小さい本と比べてゐる樣子は、あたかも飜譯のときに字引でも引いてゐるやうに見えるのであつた。
大塚さんは春らしい日のあたった庭土の上を歩き廻って、どうかすると彼女が子供のように快活であったことを思出した。
刺繍 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この家の先代が砲術の指南をした頃に用いた場所は、まだ耕地として残っていたが、その辺から小山の頂へかけて、夕日があたっていた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼はここに始めておのれの美しさのすくなくとも奏任以上の地位ある名流をそのつまあたひすべきを信じたるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ことに八重山の主島などは、宮良当壮みやらとうそう君の少年期の記憶が精確で、その資料は利用にあたいする。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
御承知か知りませんが、鰒に中毒あたると何もかも痲痺しびれてしもうて、一番しまい間際がけ聴覚みみだけが生き残ります。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「辰夫と俺とは昨夕ゆうべの篠原の鰻に中毒あたつたらしい。薬を飲まして寝かしてやれ。俺も寝る。」と父が答へた。
父の死 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
あたかも青い木の葉を食ふ蟲の血が緑色であるやうに、私達の總身の血潮までその濃い緑に變るかと疑はれるばかりだ。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
右の果実はその恰好があたかも三味線のばちに似ている所から、この草をバチグサともペンペングサとも称する。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「お寒う御座います。どうぞおあたり下さいませ。」母子おやこは靜かに水のたれる音を耳にしながら火鉢によつた。
三十三の死 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
なお待ちこがれし八合目の石室せきしつの炉辺にえられ、一行は種々の手段を施こし、夜を徹して予が病躯びょうくあたためつつある真最中なりしなり
きつちやんやおあたりよとこゑをかけるにれはいやだとつて柱際はしらぎはつてるを
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
行火あんくわあたるならいつでもとこなかれていてはらないぞえ、さんは臺所だいどころのもとをこゝろづけて
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
領主 女子と関係があると云うよりも、女子の上にふりかかっている悪運命と、関係があると云った方が的中あたっている。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
が、それにしてもこの門札を、ひき外し持参いたしましたればこそ、かかる旅舎などへ先生ほどのお方を、お招きすること出来ました次第、その術策的中あたりましてござるよ。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
太子は、志を得た曉には汝を大夫に取立て死罪にあたる咎あるも三度迄は許さうと良夫に約束し、之を手先としてぬかり無く策謀をめぐらす。
盈虚 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
太子は、志を得た暁には汝を大夫に取立て死罪にあたる咎あるも三度迄は許そうと良夫に約束し、之を手先としてぬかり無く策謀をめぐらす。
盈虚 (新字新仮名) / 中島敦(著)
屹度きっと曾祖母おおばあさんは、炬燵こたつあたって、眼鏡を懸けて、本でも見ていたんで御座ございましょうね。
「ああしんど」 (新字新仮名) / 池田蕉園(著)
比丘「寒いから遠慮なしに粗朶そだをくべておあたりなさい、何も御馳走はないから」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
製作場の向側にはギリシヤあたりの古い美術品かと思はれる彫刻を施した圓い石や角な石が轉がつて居るのであつた。
巴里の旅窓より (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
つひには咽喉のどあたりまでがむづ/\してるやうなかんじがしてた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
氷山へうざんくだけてたま飛散とびちごとく、すでにうしなつて、四途路筋斗しどろもどろ海賊船かいぞくせんに、命中あたるも/\
命中あたつたが最期殻の刺毛とげ人間ひとの五六人は殺せるし、命中あたらなかつた所で、うまはじけさへすれば激しい臭味でもつて一大隊位の兵士を窒息させるのは朝飯前だといふのだ。
こんもり繁つた雑木林のなかから、田舎家の白壁が見えて、夕日が明るくそれにあたつてゐて、いかにも気持のだ。
斯うA君が答へた。其日A君が興奮した精神こゝろ状態ありさまにあることを私はその力のある話振で知つた。朝日が寒い山の陰へあたつて來た。A君は高い響けるやうな聲を出して笑つた。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
草鞋穿わらじばき焚火たきびあたりながら、その「ハリコシ」を食い食い話すというが、この辺での炉辺ろばたの楽しい光景ありさまなのだ。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
僕は子がないから、自分の血を分けたあたたかい肉のかたまりに対するなさけは、今でも比較的薄いかも知れないが、自分を生んでくれた親をなつかしいと思う心はそのだいぶ発達した。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして、彼にあたらず、後ろのものが胸を撃ち貫かれて即死した。
微笑 (新字新仮名) / 横光利一(著)
由平は飛び起きた。床の間の鹿の角の刀架かたなかけに一本の刀が飾ってあった。由平はそれを取って阿芳に斬りつけた。刀は外れてふすまあたった。其の音を聞きつけて婢が飛んで来た。
阿芳の怨霊 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
渠はますます狂いて再びわめかんとしたりしかば、白糸はあたるを幸いめったりにして、弱るところを乳の下深く突き込みぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『待て待て。その仁三郎は待て。今俺が胸のとこをばあたって見たれあ、まだどことのうぬくごとある。まあだ生きとるかも知れん』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
親子はただ驚いて見ている。あたをしそうな様子も見えぬので、恐ろしいとも思わぬのである。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
一席申し上げます、是は寛政十一年に、深川元町ふかがわもとまち猿子橋さるこばしぎわで、巡礼があたを討ちましたお話で、年十八になります繊弱かよわい巡礼の娘が、立派な侍を打留うちとめまする。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今の人類は国家を形作っているがために、高きあたいを払って武装的平和を維持せなくてはよくない事になっている。
余が平和主義の立脚点 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
だまれ! ポローニヤス、気が狂ったか。誰に向って言っているのだ。娘の失態から、もはや、破れかぶれになっているものと見える。いまの無礼の雑言ぞうごんだけでも充分に、免職、入牢にゅうろうの罪にあたいします。けがらわしい下賤げせんの臆測は、わしの最も憎むところのものだ。
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)
また今更いまさらかんがえれば旅行りょこうりて、無惨々々むざむざあたら千えんつかてたのはいかにも残念ざんねん
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
また今更いまさらかんがへれば旅行りよかうりて、無慘々々むざ/\あたら千ゑんつかてたのは奈何いかにも殘念ざんねん
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)