“報”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むく25.1%
しら22.5%
21.4%
むくい17.1%
しらせ2.3%
はう1.7%
ほう1.7%
むくひ1.2%
0.9%
むくは0.9%
かへ0.6%
0.6%
かえ0.6%
0.6%
ムク0.6%
あだ0.3%
たよ0.3%
つぐ0.3%
がへ0.3%
こた0.3%
0.3%
むくふ0.3%
シラ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その心遣こころやりがむくいられたのか、それとも、単に私の気の迷いか、近頃では、夫人は、何となく私の椅子を愛している様に思われます。
人間椅子 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それは中国の心臓を漢青年に握られるようなものだ。だから当分のうち時局の切迫を漢青年にしらせずに置くことが、必要だったのだ。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「それには及ばん。その心根はよく分るが、それまでに、危ない中を、往来せんでもよい。充分、体を休めて、勝軍かちいくさらせを待て」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……ああ、これも皆聴水が、悪事のむくいなりと思へば、他を恨みん由あらねど。這奴しゃつなかりせば今宵もかく、罠目わなめの恥辱はうけまじきに
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
いたましき禍ひのしらせをうくれば、その難いづれのところより襲ふとも、聞く者顏を曇らすごとく 六七—六九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
見るに忍びずせめてもの事に斯樣なる時節にこそ御恩ごおんはうぜんと存じて持參致したれ因て此金子何卒なにとぞ御受取下さるべしと二十兩の金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おのれをつるには、そのうたがいを処するなかれ。その疑いを処すればすなわちしゃもちうるのこころざし多くず。人にほどこすにはそのほうむるなかれ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
はたしてさけあまたえしゆゑ鵜飼うかひ謡曲うたひにうたふごとくつみむくひのちわすれはてゝ、おもしろくやゝ時をぞうつしける。
少時前いまのさきッたのは、角海老かどえびの大時計の十二時である。京町には素見客ひやかしの影も跡を絶ち、角町すみちょうには夜をいましめの鉄棒かなぼうの音も聞える。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
見ておどろきたるていなりしが其盜賊はまつたわたくしなりの者は御助おんたすけ下さるべしと申けるをきゝ伊兵衞は八にむかひ汝は我が先達さきだつて寸志すんしむくはんとて命をすてて我を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
八五郎は聞て然共々々さうとも/\奴等きやつら邪魔じやまをして見ろ後で何樣どのやう意恨いこんかへされるも知れずこんの惡ひ日にはまたどんな惡ひ奴が來るか計られねば早く見世を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いかにもして此遺恨このうらみえさばやと
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
伊「両人が落著おちついたら何うしてもこの恩をかえさねば、畜生ちきしょうにも劣るから、己らは」
さっ照射入さしいる月影に、お藤の顔はあおうなり、人形の形は朦朧もうろうと、煙のごとくほの見えつ。霊山にく寺の鐘、丑満時うしみつどきして、天地寂然しんとして、室内陰々たり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
 ——王、太子(将軍の世子)ヲウシナウテ、後宮、マタ子ヲ産ムナシ。僧隆光、進言シテ云フ、人ノニ乏シキ者、ミナ生前多ク殺生ノムクイナリ。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
立廻る駕籠舁かごかき惡漢共わるものども門邊かどべを通りかゝりしが兩人の樣子を見て此所へ這入はひり來りしかば八五郎はわるやつが來りしとは思へどもあだ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
自分はいまだにたより一つよこさないという呑気のんきな話、とうてい末始終手頼たよりになるような男ではございません。
つぐる鐘耳元に響き渡り寒風かんぷう肌膚はだへさすが如く一しほ待遠まちどほく思ふに就我家の事を氣遣きづかもし母樣が御目を覺され此身の居らぬを尋ねはし給はぬか然共折角せつかく是迄來りしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
吉原よしはら身賣みうりせし金子にてたしかなりそれと申も十八ヶ年以前の御恩がへしとぞんじていたしたる其金故にかへつて文右衞門樣のあだとなりしはまこと御氣毒おきのどくともなにとも申樣も御座なくことに又肝腎の町所名前を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大伴旅人おおとものたびとは、太宰府に於て、妻大伴郎女おおとものいらつめを亡くした(神亀五年)。その時京師から弔問が来たのにこたえた歌である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
自身番から板木ばんぎが廻る。ドーン、ドーンと、裏通りを打ってくる番太郎の太鼓らせ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あるひは其因果孫彦まごひこむくふか、或子に報か、或其身にむくふかなど、云しぞかし、しかは云ど、今は皿のはたを廻り侍るよと、世俗のことわざなりしが、げにおぼえにけり
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
山姥は、椿の枝を山から持つて来て、春の言触コトフれをするのである。春のシラせには、山茶花は早く咲くから、都合のよい木である。即、山姥が、椿でうらを示したのである。
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)