“つぐ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
65.6%
28.9%
0.9%
0.9%
0.7%
0.4%
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0.2%
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(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おまえ、まるで自分の……」そう云いかけた大四郎は、ふいに打たれでもしたように口をつぐみ、大きく瞠った眼で妻を見おろした。
ひやめし物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
平次は他にもいろ/\のことを訊いて見ましたが、堀周吉は老巧な用人らしく口をつぐんで、それ以上は何んにも話してくれません。
お町はハラ/\して其の儘寝る事もなりませずうちに、カア/\と黎明しののめつぐる烏と共に文治郎は早く起きて来まして
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
小綬鶏こじゆけいの群れつつつぐむ雑木原冬は日すぢの目に立たずして
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
老人編をつぐあり、ゆゑに初編二編といふ。前編後編といはず。
取外とりはずして言いかけて倏忽たちまちハッと心附き、周章あわてて口をつぐんで、吃驚びっくりして、狼狽ろうばいして、つい憤然やっきとなッて、「畜生」と言いざまこぶしを振挙げて我と我をおどして見たが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
百合子の口紅べにが、ラツパについてゐたのを知らず口にして百合子に笑はれた時のことを滝本は思ひ出して何やらヒヤリとする思ひに打たれて口をつぐんだ。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
何を云ッても取合わぬゆえ、お勢も仕方なく口をつぐんで、しばらく物思わし気に洋燈ランプ凝視みつめていたが、それでもまだ気に懸ると見えて、「慈母さん」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そのうちにはまた睡気ねむけがさしそうになる、から、ちと談話はなしの仲間入りをしてみようとは思うが、一人が口をつぐめば、一人が舌をふるい、喋々としてふたつの口が結ばるという事が無ければ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
つぐる鐘耳元に響き渡り寒風かんぷう肌膚はだへさすが如く一しほ待遠まちどほく思ふに就我家の事を氣遣きづかもし母樣が御目を覺され此身の居らぬを尋ねはし給はぬか然共折角せつかく是迄來りしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つぐ遠寺ゑんじかねガウ/\とひゞき渡りいと凄然ものすごく思はるればさしも強氣がうきの者共も小氣味こきみ惡々わる/\足にまかせて歩行あゆむうちあをき火の光り見えければあれこそ燒場やきば火影ひかげならんと掃部は先に立て行程にはや隱亡小屋をんばうごや近接ちかづく折柄をりから道の此方こなたなる小笹をざさかぶりし石塔せきたふかげより一刀ひらりと引拔稻妻いなづまの如く掃部が向うずね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つぐと申せば此者を是非とももらひ受て老の樂みにせんと思案をきはめ道々半四郎に此趣きを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
えらみしに初代の瀬川は大傳馬町の或大盡あるだいじん根引ねびきせられ其後名をつぐほどの者なければ暫くたえたれども是迄瀬川にならぶ全盛なし今度このたびかゝへしお高は元の瀬川にすぐれるともおとるまじとて瀬川と名を付け新造禿迄かぶろまで
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
二人前半四郎の方へすゑければ後藤ははしらしばつけ置たる盜人のなはときコレ汝爰へ來てしやくをせよと茶碗ちやわんを出しければ彼曲者かのくせものはヘイ/\と云ながら怖々こは/\酒をつぐに後藤は大安坐おほあぐらをかいて酒を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
飮ながら何だびく/\するな何故なぜ其樣そんなふるへるぞコレ酒がこぼれるぞ落着おちついつぐがよい汝も酒がすきだ一ぱいあひをせよサア/\其茶碗ちやわんがいゝ夫で二三ばいのむべしと酒をついでやり後で飯もくふがよい今に拙者が手前を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「余計な事だが、それでうちほうの経済は、収支つぐなふのかい」と代助は思ひ切つて猛進した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「そんなことはねえつたつていてんのになんだつぺな、おとつゝあ」おつぎは勘次かんじしかつた。勘次かんじくちつぐんではしさき馬鈴薯じやがいもした。與吉よきちまぶたゆるんでいつかかるいびきいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
温泉あり。綿の湯といふ。上中下かみなかしもわかつている。上の湯は清灑せいしやにして臭気なし。これを飲めば酸味あり。上の湯の流あまりをたむるを中といひ、又それにつぐを下といふ。轎夫けうふ駄児たじの類浴する故穢濁くわいだくなり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
偖又大橋文右衞門は支度したく調とゝのひしかば稻葉家の藩中へと出行しあとへ彼の油屋五兵衞の番頭久兵衞は入來り文右衞門さんは御家おうちにかと云ながらつぐと上りこむゆゑ女房お政は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
君は維新のおん帝、御十七の若帝わかみかど、御束帯に御冠みかんむり御板輿おんいたごしに打乗らせ、天下取ったる公卿くげ将卒に前後左右をまもらして、錦の御旗を五十三つぐの雄風にひるがへし、東下りをはたし玉ひぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
じつとつぐんだくちばしにケレオソートが沁むかいな。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)