“杯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さかずき43.8%
ぱい20.3%
さかづき12.1%
はい7.0%
ぺえ3.1%
ばい3.1%
ぺい2.7%
コップ1.2%
こつぷ0.8%
つき0.8%
もの0.8%
ツキ0.8%
こっぷ0.4%
など0.4%
の0.4%
へえ0.4%
やつ0.4%
カップ0.4%
グラス0.4%
マッグ0.4%
ヹエル0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると、軽く膝を支(つ)いて、蒲団(ふとん)をずらして、すらりと向うへ、……扉(ひらき)の前。——此方(こなた)に劣らず杯(さかずき)は重ねたのに、衣(きぬ)の薫(かおり)も冷(ひや)りとした。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お品(しな)の塔婆(たふば)の前(まへ)にそれから其處(そこ)ら一杯(ぱい)の卵塔(らんたふ)の前(まへ)に線香(せんかう)を少(すこ)しづゝ手向(たむ)けて、火(ひ)を點(つ)けてほつかりと赤(あか)く成(な)つた提灯(ちやうちん)を提(さ)げて戻(もど)つた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
凡(すべ)て無邪気な遊戯の限(かぎり)を尽(つく)して杯(さかづき)を挙げたが、二時間後(ご)には大風(おほかぜ)の過ぎた如く静まり返つて再び皆アトリエの中に絵筆を執つて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
開山の国師は、沓(くつ)を脱(ぬ)いではだしとなった。そして法衣の袖をうしろにたくし巻いて、みずから鍬(くわ)を把(と)り、竹の平籠(ひらかご)に二杯(はい)の土を盛る。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「めっぽう寒いじゃねエか。故国(うち)にいりや、葱鮪(ねぎま)で一杯(ぺえ)てえとこだ。吉(きち)、てめえアまたいい物引っかけていやがるじゃねえか」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「まだ其處(そこ)で引(ひ)つくるけえしちや大變(たえへん)だぞ、戸棚(とだな)へでも入(せ)えて置(お)け」勘次(かんじ)は復(ま)た注意(ちうい)した。卯平(うへい)は藥罐(やくわん)の湯(ゆ)を注(つ)いで三杯(ばい)を喫(きつ)した。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
男「エヽコウ潮時が悪(わり)いもんだから滅法界(めっぽうけえ)に遅くなった、なにしても寒くって堪らねえから何処かで一杯(ぺい)飲(や)ろうか」
浜からはよく強い洋酒などを貰(もら)って来て、黄金色したその酒を小さい杯(コップ)に注(つ)ぎながら、日に透(すか)して見てはうまそうになめていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
村(むら)の酒屋(さかや)の店前(みせさき)までくると、馬方(うまかた)は馬(うま)をとめました。いつものやうに、そしてにこにことそこに入(はい)り、どつかりと腰(こし)を下(をろ)して冷酒(ひやざけ)の大(おほ)きな杯(こつぷ)を甘味(うま)さうに傾(かたむ)けはじめました。一杯(ぱい)一杯(ぱい)また一杯(ぱい)。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
酌み交す円居(まどゐ)の杯(つき)のひとめぐり、将たふためぐり
詩集夏花 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)
露八は、心のうちで悶(もだ)えた。時々、淋しそうに、ぽかんとした。芸妓(おんな)たちは、馴れてくると、露八の膝にもたれたり、大きな杯(もの)で、酒を強(し)いた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「君(キミ)」「雪(ユキ)」「御酒(ミキ)」「杯(ツキ)」「沖(オキ)」「切(キ)る」「垣(カキ)」「崎(サキ)」「翁(オキナ)」「昨日(キノフ)」「清(キヨ)」「常盤(トキハ)」「明(アキラメ)」「幸(サキハヒ)」「杜若(カキツハタ)」「行き」「蒔(マ)き」「分き」「吹き」「着(キ)」
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
ステーションまでの二百ヴェルスタの道(みち)を二昼夜(ちゅうや)で過(す)ぎたが、その間(あいだ)馬(うま)の継場々々(つぎばつぎば)で、ミハイル、アウエリヤヌイチは、やれ、茶(ちゃ)の杯(こっぷ)の洗(あら)いようがどうだとか
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
兄が薩藩に与(く)みして居るから弟も変だと云うのは、私が動(やや)もすれば幕府の攘夷論を冷評して、こんな政府は潰(つぶ)すが宜(い)い杯(など)云うから、自(おのず)からそんな評判も立つのであろうが
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
伝右衛門は、戯(たわむ)れながら、とうとう、彼を捕えて、罰杯として、大きな杯(の)でのませた。十郎左は、覆(くつがえ)るように、坐って
べんがら炬燵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
當藥(たうやく)煎(せん)じ出(だ)して氣日(まいんち)俺(お)れ片口(かたくち)で五杯(へえ)づゝも飮(の)んだな、五合(がふ)位(ぐれえ)へえつけべが、俺(お)ら呼吸(えき)つかずだ、なあに呼吸(えき)ついちや苦(にが)くつて仕(し)やうねえだよ
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「まあ、それは持っていねえ、おれはこっちの杯(やつ)で飲むから——時に武者修行」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女は余程酔っているらしく、片手に泡の立った黒ビールの杯(カップ)を持って、フラフラと室の中を歩廻っていた。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
しかも雀の涙ほどのウォツカの杯(グラス)を見つめながら、この道化者の気狂いじみた興奮を猫脊に微笑んでいるのだった。
放浪の宿 (新字新仮名) / 里村欣三(著)
酒は米から醸造した飲料で、私の考ではラーガー・ビヤより強くはなく、我々が麦酒(ビール)に使用する半リッタア入りの杯(マッグ)の代りに日本人は酒を小さな浅い磁器の盃から啜(すす)る(図29は酒の盃実物大)。
前(まへ)の杯(ヹエル)を軽く取る
“MONICO” (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)