“其處”のいろいろな読み方と例文
新字:其処
読み方割合
そこ97.1%
そこら1.0%
そのところ1.0%
そん1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
くだん古井戸ふるゐどは、先住せんぢういへつまものにくるふことありて其處そこむなしくなりぬとぞ。ちたるふた犇々ひし/\としておほいなるいしのおもしをいたり。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
何しろ此の家の財産の目星めぼしい物といふ物が殘らずさらけ出してあるのだが、其れが始末好く取片付とりかたつけられてゐるから、其處そこらがキチンと締ツて清潔せいけつだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
又七殿訴へなば大亂たいらんとなり白子屋の家名かめい立難たちがたしお常殿は女の事故其處そのところへ氣もつかれざるは道理もつともの事なれども能々よく/\勘辨かんべんありて隨分ずゐぶん又七殿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
成程此の事じや、其様に阿父を憎むことは出來ないて!………俺だつて親になるかも知れんのだからな。だが人間と云ふやつは、親になると、何うして其處そんな勝手な根性こんじやうになるんだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)