南部修太郎
1892.10.12 〜 1936.06.22
“南部修太郎”に特徴的な語句
思
方
何
見
中
云
私
突
爭
自分
感
氣
買
今
或
前
歩
立
事
秋
何
時
來
少
笑
考
聞
然
方
庭
張
少
彼
家
得
行
恐
言
段
飛
時
途切
勝
出
達
近
答
出
使
手
著者としての作品一覧
阿片の味(旧字旧仮名)
読書目安時間:約5分
秦の始皇が不老の藥を求めた話はもうあまりに人口に膾炙してゐるが、この不老とは單に長生きをすると云ふ意味でなしに、老いてなほ色欲の享樂に堪へ得る旺盛な體力を求めるのが根本である事は云 …
読書目安時間:約5分
秦の始皇が不老の藥を求めた話はもうあまりに人口に膾炙してゐるが、この不老とは單に長生きをすると云ふ意味でなしに、老いてなほ色欲の享樂に堪へ得る旺盛な體力を求めるのが根本である事は云 …
一兵卒と銃(旧字旧仮名)
読書目安時間:約13分
霧の深い六月の夜だつた。丁度N原へ出張演習の途上のことで、長い四列縱隊を作つた我我のA歩兵聯隊はC街道を北へ北へと行進してゐた。 風はなかつた。空氣は水のやうに重く沈んでゐた。人家 …
読書目安時間:約13分
霧の深い六月の夜だつた。丁度N原へ出張演習の途上のことで、長い四列縱隊を作つた我我のA歩兵聯隊はC街道を北へ北へと行進してゐた。 風はなかつた。空氣は水のやうに重く沈んでゐた。人家 …
S中尉の話(旧字旧仮名)
読書目安時間:約15分
「まあ皆、聞いて呉れ給へ。この僕にもこんな話があるから面白いぢやあないか……」 と、B歩兵聯隊附のS中尉が話し始めたのです。かう云ふと、定めて戰爭の手柄話でも聞かされるのかと、お思 …
読書目安時間:約15分
「まあ皆、聞いて呉れ給へ。この僕にもこんな話があるから面白いぢやあないか……」 と、B歩兵聯隊附のS中尉が話し始めたのです。かう云ふと、定めて戰爭の手柄話でも聞かされるのかと、お思 …
画家とセリセリス(旧字旧仮名)
読書目安時間:約9分
それが癖のいつものふとした出來心で、銀座の散歩の道すがら、畫家の夫はペルシア更紗の壁掛を買つて來た。が、家の門をはひらない前に、彼はからつぽになつた財布の中と妻の視線を思ひ浮べなが …
読書目安時間:約9分
それが癖のいつものふとした出來心で、銀座の散歩の道すがら、畫家の夫はペルシア更紗の壁掛を買つて來た。が、家の門をはひらない前に、彼はからつぽになつた財布の中と妻の視線を思ひ浮べなが …
気質と文章(旧字旧仮名)
読書目安時間:約8分
「文は人なり。」 これは高山樗牛の有名な詞である。が、今は古めかしいこの詞も結局は永遠の眞理である。言ひ換へると、文章は人格の再現なりといふ事になるが、これをもつと狹い意味に文章は …
読書目安時間:約8分
「文は人なり。」 これは高山樗牛の有名な詞である。が、今は古めかしいこの詞も結局は永遠の眞理である。言ひ換へると、文章は人格の再現なりといふ事になるが、これをもつと狹い意味に文章は …
霧の夜に(旧字旧仮名)
読書目安時間:約11分
霧の深い、暖かな晩だつた。誘はれるやうに家を出たKと私は、乳色に柔かくぼかされた夜の街を何處ともなく彷徨ひ歩いた。大氣はしつとりと沈んでゐた。そして、その重みのある肌觸りが私の神經 …
読書目安時間:約11分
霧の深い、暖かな晩だつた。誘はれるやうに家を出たKと私は、乳色に柔かくぼかされた夜の街を何處ともなく彷徨ひ歩いた。大氣はしつとりと沈んでゐた。そして、その重みのある肌觸りが私の神經 …
疑惑(旧字旧仮名)
読書目安時間:約32分
——水野敬三より妻の藤子に宛てた手記—— 昨日、宵の内から降り出したしめやかな秋雨が、今日も硝子戸の外にけぶつてゐる。F——川の川音も高い。町を挾んだ丘の斜面の黄ばんだ木の葉の色も …
読書目安時間:約32分
——水野敬三より妻の藤子に宛てた手記—— 昨日、宵の内から降り出したしめやかな秋雨が、今日も硝子戸の外にけぶつてゐる。F——川の川音も高い。町を挾んだ丘の斜面の黄ばんだ木の葉の色も …
現代作家に対する批判と要求:全人間的な体現を (その一、芥川竜之介氏)(新字旧仮名)
読書目安時間:約9分
忌憚なく云ふと、私は現在の芥川龍之介氏の芸術に対して何にも云ひたくはないのである。と云ふのは、私は三四年前からそれに対しては機会あるごとに思ふ処を述べて来た。そして、その思ふ処は現 …
読書目安時間:約9分
忌憚なく云ふと、私は現在の芥川龍之介氏の芸術に対して何にも云ひたくはないのである。と云ふのは、私は三四年前からそれに対しては機会あるごとに思ふ処を述べて来た。そして、その思ふ処は現 …
三作家に就ての感想(旧字旧仮名)
読書目安時間:約6分
一、有島武郎氏 私は有島武郎さんの作品を讀んで、作品のうちに滲んでゐる作者の心の世界といふものゝ大きさや、強さといふものを深く感じます。そして、線の非常に太い、高らかなリズムをもつ …
読書目安時間:約6分
一、有島武郎氏 私は有島武郎さんの作品を讀んで、作品のうちに滲んでゐる作者の心の世界といふものゝ大きさや、強さといふものを深く感じます。そして、線の非常に太い、高らかなリズムをもつ …
死の接吻:スウェーデンの殺人鬼(旧字旧仮名)
読書目安時間:約34分
猫の唸聲 「ふウん、臺所に電氣がついてる‥‥」 凍りついた雪の道に思はず足を止めて、若い農夫のカアルソンは宵闇の中に黒く浮んでゐる二階建の別荘の方へおびえたやうな視線を投げた。 千 …
読書目安時間:約34分
猫の唸聲 「ふウん、臺所に電氣がついてる‥‥」 凍りついた雪の道に思はず足を止めて、若い農夫のカアルソンは宵闇の中に黒く浮んでゐる二階建の別荘の方へおびえたやうな視線を投げた。 千 …
自分のこと(旧字旧仮名)
読書目安時間:約3分
明治二十五年の秋、仙臺で生れた。このことは姓と結び合せて自分を宮城縣人と思ふ人もあるらしいが、たゞ生誕の地といふだけで、三ヶ月後には仙臺を去り、それから土木技師である父の轉勤につれ …
読書目安時間:約3分
明治二十五年の秋、仙臺で生れた。このことは姓と結び合せて自分を宮城縣人と思ふ人もあるらしいが、たゞ生誕の地といふだけで、三ヶ月後には仙臺を去り、それから土木技師である父の轉勤につれ …
自分の変態心理的経験(旧字旧仮名)
読書目安時間:約5分
妖怪と云ふものが昔の妖怪話の妖怪畫などに現はれてゐるやうな異樣、奇怪、凄慘などの極端に誇張された存在でない事は、少くとも客觀的存在でない事は、今更ら云ふまでもない話であるが、これを …
読書目安時間:約5分
妖怪と云ふものが昔の妖怪話の妖怪畫などに現はれてゐるやうな異樣、奇怪、凄慘などの極端に誇張された存在でない事は、少くとも客觀的存在でない事は、今更ら云ふまでもない話であるが、これを …
写真と思ひ出:――私の写真修行――(旧字旧仮名)
読書目安時間:約9分
◇ 寫眞も、この頃は猫も杓子もやるといふ風な、はやり物になつて、それに趣味を持つなどゝいふのが變に當たり前過ぎる感じで、却て氣がひけるやうなことにさへなつてしまつた。が、いつだつた …
読書目安時間:約9分
◇ 寫眞も、この頃は猫も杓子もやるといふ風な、はやり物になつて、それに趣味を持つなどゝいふのが變に當たり前過ぎる感じで、却て氣がひけるやうなことにさへなつてしまつた。が、いつだつた …
修道院の秋(旧字旧仮名)
読書目安時間:約24分
「好いかよう……」 と、若い水夫の一人が、間延びのした太い聲で叫びながら船尾の纜を放すと、鈍い汽笛がまどろむやうに海面を掠めて、船は靜かに函館の舊棧橋を離れた。 港の上にはまだ冷冷 …
読書目安時間:約24分
「好いかよう……」 と、若い水夫の一人が、間延びのした太い聲で叫びながら船尾の纜を放すと、鈍い汽笛がまどろむやうに海面を掠めて、船は靜かに函館の舊棧橋を離れた。 港の上にはまだ冷冷 …
処女作の思い出(旧字旧仮名)
読書目安時間:約10分
忘れもしない、あれは大正五年十月なかばの或る夜のことであつた。秋らしく澄み返つた夜氣のやや肌寒いほどに感じられた靜かな夜の十二時近く、そして、書棚の上のベルギイ・グラスの花立に挿し …
読書目安時間:約10分
忘れもしない、あれは大正五年十月なかばの或る夜のことであつた。秋らしく澄み返つた夜氣のやや肌寒いほどに感じられた靜かな夜の十二時近く、そして、書棚の上のベルギイ・グラスの花立に挿し …
女盗(旧字旧仮名)
読書目安時間:約15分
女は黒い、小型の旅行鞄をさげた赤帽のあとから、空氣草履の足擦り靜に車内へはいつて來た。黒絹の手袋した右手に金金具、茶なめし皮のオペラパツクを、左手に派手な透模樣のパラソルを、そして …
読書目安時間:約15分
女は黒い、小型の旅行鞄をさげた赤帽のあとから、空氣草履の足擦り靜に車内へはいつて來た。黒絹の手袋した右手に金金具、茶なめし皮のオペラパツクを、左手に派手な透模樣のパラソルを、そして …
探偵小説の魅力(旧字旧仮名)
読書目安時間:約9分
ある時、Wと云ふ中年の刑事が私にこんな事を話し聞かせた。 『探偵と云ふ仕事はちよつと考へると、如何にも面白さうな仕事らしく見えます。然し、その性質如何に拘らず、一體人の犯罪乃至は祕 …
読書目安時間:約9分
ある時、Wと云ふ中年の刑事が私にこんな事を話し聞かせた。 『探偵と云ふ仕事はちよつと考へると、如何にも面白さうな仕事らしく見えます。然し、その性質如何に拘らず、一體人の犯罪乃至は祕 …
日曜日から日曜日まで(旧字旧仮名)
読書目安時間:約13分
日曜日——。 明方四時頃例に依り輕い喘息發作に眼が覺める。アストオル吸入で發作を鎭めて再び眠りに就いたが、この一ヶ月近く毎朝さうして眠りを中斷されるのは叶はない。幸ひ重い發作に進ま …
読書目安時間:約13分
日曜日——。 明方四時頃例に依り輕い喘息發作に眼が覺める。アストオル吸入で發作を鎭めて再び眠りに就いたが、この一ヶ月近く毎朝さうして眠りを中斷されるのは叶はない。幸ひ重い發作に進ま …
猫又先生(旧字旧仮名)
読書目安時間:約29分
高橋順介、それが猫又先生の本名である。 先生はT中學校の國語並に國文法の先生で、私達が四年級に進んだ年の四月に新任されたのである。而も、當然私達の擔任たるべく期待されてゐた歴史の杉 …
読書目安時間:約29分
高橋順介、それが猫又先生の本名である。 先生はT中學校の國語並に國文法の先生で、私達が四年級に進んだ年の四月に新任されたのである。而も、當然私達の擔任たるべく期待されてゐた歴史の杉 …
ハルピンの一夜(旧字旧仮名)
読書目安時間:約31分
頭の禿げた、うす穢いフロツク姿の老人の指揮者がひよいと立ち上つて指揮棒を振ると、何回目かの、相變らず下品な調子のフオツクス・トロツトが演奏團席の方で始まつた。落ちぶれ貴族の息子とで …
読書目安時間:約31分
頭の禿げた、うす穢いフロツク姿の老人の指揮者がひよいと立ち上つて指揮棒を振ると、何回目かの、相變らず下品な調子のフオツクス・トロツトが演奏團席の方で始まつた。落ちぶれ貴族の息子とで …
病院の窓(旧字旧仮名)
読書目安時間:約18分
十七の五月だつた。私は重い膓チブスに罹つて、赤坂の或る病院へ入院した。 入院して十日餘りは私はまるで夢中だつた。何か怖ろしい物に追ひ掛けられてゐるやうな、遁げても遁げても遁げきれな …
読書目安時間:約18分
十七の五月だつた。私は重い膓チブスに罹つて、赤坂の或る病院へ入院した。 入院して十日餘りは私はまるで夢中だつた。何か怖ろしい物に追ひ掛けられてゐるやうな、遁げても遁げても遁げきれな …
文芸作品の映画化(旧字旧仮名)
読書目安時間:約8分
最近、偶然に文藝作品の映畫化されたものをつゞけて三つ見た。ワイルドの「ウヰンダアミア夫人の扇」、ウエデキントの「春の眼覺め」、ロチの「氷島の漁夫」がそれだ。その中で「ウヰンダアミア …
読書目安時間:約8分
最近、偶然に文藝作品の映畫化されたものをつゞけて三つ見た。ワイルドの「ウヰンダアミア夫人の扇」、ウエデキントの「春の眼覺め」、ロチの「氷島の漁夫」がそれだ。その中で「ウヰンダアミア …
文壇球突物語(旧字旧仮名)
読書目安時間:約8分
アントン・チエエホフの名戯曲「櫻の園」の第三幕目の舞台の左奧手には球突塲がある心になつてゐる。舞台はいふまでもなく櫻の園の女主人ラアネフスカヤの邸宅の廣間で、時は春の夜、その地方の …
読書目安時間:約8分
アントン・チエエホフの名戯曲「櫻の園」の第三幕目の舞台の左奧手には球突塲がある心になつてゐる。舞台はいふまでもなく櫻の園の女主人ラアネフスカヤの邸宅の廣間で、時は春の夜、その地方の …
下手の横好き:―将棋いろいろ―(旧字旧仮名)
読書目安時間:約5分
=1=町内の好敵手 住み馴れてやがて三十年、今では僕も町内一二の古顏になつてしまつたが、麻布區新龍土町といふと、うしろに歩兵第三聯隊のモダアン兵營を控えた戸數六七十の一區劃だが、ロ …
読書目安時間:約5分
=1=町内の好敵手 住み馴れてやがて三十年、今では僕も町内一二の古顏になつてしまつたが、麻布區新龍土町といふと、うしろに歩兵第三聯隊のモダアン兵營を控えた戸數六七十の一區劃だが、ロ …
麻雀を語る(旧字旧仮名)
読書目安時間:約15分
話はだいぶ古めくが、大正十一年の秋の或る一夜のことだ。三ヶ月ほどの南北支那の旅を終つて、明日はいよいよ懷しい故國への船路に就かうといふ前の晩、それは乳色の夜靄が町の燈灯をほのぼのと …
読書目安時間:約15分
話はだいぶ古めくが、大正十一年の秋の或る一夜のことだ。三ヶ月ほどの南北支那の旅を終つて、明日はいよいよ懷しい故國への船路に就かうといふ前の晩、それは乳色の夜靄が町の燈灯をほのぼのと …
夢(旧字旧仮名)
読書目安時間:約12分
五月のある晴れた土曜日の夕方だつた。いつになく元氕のいい、明るい顏付で勤め先から帰つて※たM会社員の青木さんは、山の手のある靜かな裏通りにある我家の門口をはひると、今まで胸に包んで …
読書目安時間:約12分
五月のある晴れた土曜日の夕方だつた。いつになく元氕のいい、明るい顏付で勤め先から帰つて※たM会社員の青木さんは、山の手のある靜かな裏通りにある我家の門口をはひると、今まで胸に包んで …
“南部修太郎”について
南部 修太郎(なんぶ しゅうたろう、1892年(明治25年)10月12日 - 1936年(昭和11年)6月22日)は、日本の小説家。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)
“南部修太郎”と年代が近い著者
今月で生誕X十年
今月で没後X十年
今年で生誕X百年
箕作秋坪(生誕200年)