伊丹万作
1900.01.02 〜 1946.09.21
著者としての作品一覧
映画界手近の問題(新字新仮名)
読書目安時間:約16分
だれかが私に映画界の七不思議を選定してみないかといったら、私は即座に四社連盟をあげる。そしてあとの六つはだれか他の人に考えてもらう。 四社連盟というものの不可思議性については以下私 …
読書目安時間:約16分
だれかが私に映画界の七不思議を選定してみないかといったら、私は即座に四社連盟をあげる。そしてあとの六つはだれか他の人に考えてもらう。 四社連盟というものの不可思議性については以下私 …
映画と音楽(新字新仮名)
読書目安時間:約8分
映画における音楽の位置をうんぬんするとき、だれしも口をそろえて重大だという。 なぜ重大なのか。どういうふうに重大なのか。だれもそれについて私に説明してくれた人はない。重大であるか否 …
読書目安時間:約8分
映画における音楽の位置をうんぬんするとき、だれしも口をそろえて重大だという。 なぜ重大なのか。どういうふうに重大なのか。だれもそれについて私に説明してくれた人はない。重大であるか否 …
映画と民族性(新字新仮名)
読書目安時間:約11分
すでにある芸術を政治が利用して有効に役立てるということはいくらも例のあることであるが、政治の必要から新たにある種の芸術を生み出し、しかも短期間にそれを完成するというようなことはほと …
読書目安時間:約11分
すでにある芸術を政治が利用して有効に役立てるということはいくらも例のあることであるが、政治の必要から新たにある種の芸術を生み出し、しかも短期間にそれを完成するというようなことはほと …
映画と癩の問題(新字新仮名)
読書目安時間:約10分
数年来、映画をまったく見ていない私は、作品としての映画を批評する資格を持たない。したがって私は、映画「小島の春」を批評することはできないが、癩というものが、あのような仕方で映画にさ …
読書目安時間:約10分
数年来、映画をまったく見ていない私は、作品としての映画を批評する資格を持たない。したがって私は、映画「小島の春」を批評することはできないが、癩というものが、あのような仕方で映画にさ …
映画の普及力とは(新字新仮名)
読書目安時間:約4分
現在の映画はまるで植物のようだ。それは歩かない。こちらが出かけて行かねばならぬ。したがつて我々病人にはまつたく無関係のものだ。 何年かまえ松竹座を除いてはまだ京都中の映画館にも映画 …
読書目安時間:約4分
現在の映画はまるで植物のようだ。それは歩かない。こちらが出かけて行かねばならぬ。したがつて我々病人にはまつたく無関係のものだ。 何年かまえ松竹座を除いてはまだ京都中の映画館にも映画 …
演技指導論草案(新字新仮名)
読書目安時間:約28分
○演技指導という言葉はわずかにこの仕事の一面を表出したにすぎない。この仕事の真相は指導でもなく、監督でもなく、化育でもなく、叱正でもない。最も感じの似通った言葉をさがせば啓発であろ …
読書目安時間:約28分
○演技指導という言葉はわずかにこの仕事の一面を表出したにすぎない。この仕事の真相は指導でもなく、監督でもなく、化育でもなく、叱正でもない。最も感じの似通った言葉をさがせば啓発であろ …
思い:情報局の映画新体制案について(新字新仮名)
読書目安時間:約9分
寝台の上で、何を思いわずろうてみてもしようがないが、このたびの改革案が発表されたときは、やはり強くなぐられたような気がした。自分一個の不安もさることながら、それよりもまず、失業群と …
読書目安時間:約9分
寝台の上で、何を思いわずろうてみてもしようがないが、このたびの改革案が発表されたときは、やはり強くなぐられたような気がした。自分一個の不安もさることながら、それよりもまず、失業群と …
顔の美について(新字新仮名)
読書目安時間:約4分
人間が死ぬる前、与えられた寿命が終りに近づいたときは、その人間の分相応に完全な相貌に到達するのであろうと思う。 完全な相貌といつただけでは何のことかわからぬが、その意味は、要するに …
読書目安時間:約4分
人間が死ぬる前、与えられた寿命が終りに近づいたときは、その人間の分相応に完全な相貌に到達するのであろうと思う。 完全な相貌といつただけでは何のことかわからぬが、その意味は、要するに …
カタカナニツイテ(新字新仮名)
読書目安時間:約7分
コノヨウナ題目ヲ掲ゲルト国語学者トマチガエラレルオソレガアルカラ一応断ツテオクガ、私ハ映画ノホウノ人間デ、数年臥床ヲ余儀ナクサレテイル病人デアル。ソノヨウナモノガナゼカタカナニツイ …
読書目安時間:約7分
コノヨウナ題目ヲ掲ゲルト国語学者トマチガエラレルオソレガアルカラ一応断ツテオクガ、私ハ映画ノホウノ人間デ、数年臥床ヲ余儀ナクサレテイル病人デアル。ソノヨウナモノガナゼカタカナニツイ …
カメラに関する覚え書(新字新仮名)
読書目安時間:約5分
ある人が私の作品のあるカメラ・ポジションを批評して、必然性がないから正しくないといつた。 私の考えではカメラ・ポジションに必然性がないということはあたりまえのことで、もしも必然性な …
読書目安時間:約5分
ある人が私の作品のあるカメラ・ポジションを批評して、必然性がないから正しくないといつた。 私の考えではカメラ・ポジションに必然性がないということはあたりまえのことで、もしも必然性な …
広告(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
この一文は私の友人の著書の広告であるから、広告のきらいな方はなにとぞ読まないでいただきたい。 このたび私の中学時代からの友人中村草田男の句集が出た。署名を『長子』という。 一部を贈 …
読書目安時間:約3分
この一文は私の友人の著書の広告であるから、広告のきらいな方はなにとぞ読まないでいただきたい。 このたび私の中学時代からの友人中村草田男の句集が出た。署名を『長子』という。 一部を贈 …
雑文的雑文(新字新仮名)
読書目安時間:約18分
映画のことなら何でもよいから見計いで書けという命令であるが、私は天性頭脳朦朧、言語不明瞭、文章曖昧、挙動不審の人物であるからたちまちはたとばかりに当惑してしまう。 しかも命令の主は …
読書目安時間:約18分
映画のことなら何でもよいから見計いで書けという命令であるが、私は天性頭脳朦朧、言語不明瞭、文章曖昧、挙動不審の人物であるからたちまちはたとばかりに当惑してしまう。 しかも命令の主は …
政治に関する随想(新字新仮名)
読書目安時間:約12分
私は生れてからこのかた、まだ一度も国民として選挙権を行使したことがない。 私はそれを自慢するのではない。むしろ一つの怠慢だと思つている。しかし、ここに私が怠慢というのは、私が国民と …
読書目安時間:約12分
私は生れてからこのかた、まだ一度も国民として選挙権を行使したことがない。 私はそれを自慢するのではない。むしろ一つの怠慢だと思つている。しかし、ここに私が怠慢というのは、私が国民と …
戦争責任者の問題(新字新仮名)
読書目安時間:約15分
最近、自由映画人連盟の人たちが映画界の戦争責任者を指摘し、その追放を主張しており、主唱者の中には私の名前もまじつているということを聞いた。それがいつどのような形で発表されたのか、く …
読書目安時間:約15分
最近、自由映画人連盟の人たちが映画界の戦争責任者を指摘し、その追放を主張しており、主唱者の中には私の名前もまじつているということを聞いた。それがいつどのような形で発表されたのか、く …
戦争中止を望む(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
現在の日本は政治、軍事、生産ともに行き当りばったりであり、万事が無為無策の一語に尽きる。 我々国民は、政府が勝利に対する強力なる意志と、周到なる計画性とその実行力とを示してくれるな …
読書目安時間:約3分
現在の日本は政治、軍事、生産ともに行き当りばったりであり、万事が無為無策の一語に尽きる。 我々国民は、政府が勝利に対する強力なる意志と、周到なる計画性とその実行力とを示してくれるな …
著作権の問題(新字新仮名)
読書目安時間:約4分
社会の各層に民主化の動きが活溌になつてくると同時に、映画界もようやく長夜の眠りから覚めて——というとまだ体裁がよいが、実はいやおうなしにたたき起された形で、まだ眠そうな眼をぼんやり …
読書目安時間:約4分
社会の各層に民主化の動きが活溌になつてくると同時に、映画界もようやく長夜の眠りから覚めて——というとまだ体裁がよいが、実はいやおうなしにたたき起された形で、まだ眠そうな眼をぼんやり …
人間山中貞雄(新字新仮名)
読書目安時間:約8分
平安神宮の広場は暑かつた。紙の旗を一本ずつ持つた我々は脱帽してそこに整列していた。日光は照りつけ汗がワイシャツの下からにきにきと湧いた。前面の小高い拝殿の上には楽隊がいて、必要に応 …
読書目安時間:約8分
平安神宮の広場は暑かつた。紙の旗を一本ずつ持つた我々は脱帽してそこに整列していた。日光は照りつけ汗がワイシャツの下からにきにきと湧いた。前面の小高い拝殿の上には楽隊がいて、必要に応 …
一つの世界:――私信――(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
君の手紙と東京から帰った会社の人の報告で東京の惨状はほぼ想像がつく。要するに「空襲恐るるに足らず」といった粗大な指導方針が事をここに至らしめたのだろう。敵が頭の上に来たら日本の場合 …
読書目安時間:約3分
君の手紙と東京から帰った会社の人の報告で東京の惨状はほぼ想像がつく。要するに「空襲恐るるに足らず」といった粗大な指導方針が事をここに至らしめたのだろう。敵が頭の上に来たら日本の場合 …
「ファン」について(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
私は今日までファンについてあまり考えたことがない。なぜならば第一私はファンという言葉が好きになれないのだ。 ファンという言葉が私の頭の中に刻みつけている印象は、私にとつてあまり幸福 …
読書目安時間:約3分
私は今日までファンについてあまり考えたことがない。なぜならば第一私はファンという言葉が好きになれないのだ。 ファンという言葉が私の頭の中に刻みつけている印象は、私にとつてあまり幸福 …
余裕のことなど(新字新仮名)
読書目安時間:約8分
近ごろの世相は私に精神的呼吸困難を感じさせることが多い。しかし、日本人がもしも本来の大和心というものを正しく身につけているならば、世の中が今のようにコチコチになつてしまうはずはない …
読書目安時間:約8分
近ごろの世相は私に精神的呼吸困難を感じさせることが多い。しかし、日本人がもしも本来の大和心というものを正しく身につけているならば、世の中が今のようにコチコチになつてしまうはずはない …
ルネ・クレール私見(新字新仮名)
読書目安時間:約6分
前書 ルネ・クレールに関する一文を求められたのであるが、由来クレールに関してはほとんどもう語り尽された観がある。しかし考えてみると私には別な見方がないでもない。それを書いて見ようと …
読書目安時間:約6分
前書 ルネ・クレールに関する一文を求められたのであるが、由来クレールに関してはほとんどもう語り尽された観がある。しかし考えてみると私には別な見方がないでもない。それを書いて見ようと …
わが妻の記(新字新仮名)
読書目安時間:約8分
素姓 中学時代の同窓にNという頭のいい男がいた。海軍少尉のとき、肺を病つて夭折したが、このNの妹のK子が私の妻となつた。 妻の父はトルストイにそつくりの老人で税務署長、村長などを勤 …
読書目安時間:約8分
素姓 中学時代の同窓にNという頭のいい男がいた。海軍少尉のとき、肺を病つて夭折したが、このNの妹のK子が私の妻となつた。 妻の父はトルストイにそつくりの老人で税務署長、村長などを勤 …
私の活動写真傍観史(新字新仮名)
読書目安時間:約31分
明治三十九年の秋だつたと思う。 当時七歳の私は父に連れられて神戸港新開地の掛小屋で活動写真に見いつていた。 天幕のすきまからはいつてくる風にあおられて波のようにうねる映写幕には日露 …
読書目安時間:約31分
明治三十九年の秋だつたと思う。 当時七歳の私は父に連れられて神戸港新開地の掛小屋で活動写真に見いつていた。 天幕のすきまからはいつてくる風にあおられて波のようにうねる映写幕には日露 …
“伊丹万作”について
伊丹 万作(いたみ まんさく、1900年(明治33年)1月2日 - 1946年(昭和21年)9月21日)は、日本の映画監督、脚本家、俳優、エッセイスト、挿絵画家。本名:池内 義豊(いけうち よしとよ)。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)
“伊丹万作”と年代が近い著者
きょうが誕生日(12月22日)
大槻文彦(1847年)
今月で生誕X十年
ラデャード・キプリング(生誕160年)
ライネル・マリア・リルケ(生誕150年)
野口米次郎(生誕150年)
瀬沼夏葉(生誕150年)
相馬泰三(生誕140年)
山中峯太郎(生誕140年)
観世左近 二十四世(生誕130年)
平山千代子(生誕100年)
今月で没後X十年
アウグスト・プラーテン(没後190年)
フィオナ・マクラウド(没後120年)
徳永保之助(没後100年)
エドワード・シルヴェスター・モース(没後100年)
寺田寅彦(没後90年)
生田葵山(没後80年)
百田宗治(没後70年)
安井曽太郎(没後70年)
米川正夫(没後60年)
今年で生誕X百年
平山千代子(生誕100年)
今年で没後X百年
大町桂月(没後100年)
富ノ沢麟太郎(没後100年)
細井和喜蔵(没後100年)
木下利玄(没後100年)
富永太郎(没後100年)
エリザベス、アンナ・ゴルドン(没後100年)
徳永保之助(没後100年)
後藤謙太郎(没後100年)
エドワード・シルヴェスター・モース(没後100年)