私の活動写真傍観史わたしのかつどうしゃしんぼうかんし
明治三十九年の秋だつたと思う。 当時七歳の私は父に連れられて神戸港新開地の掛小屋で活動写真に見いつていた。 天幕のすきまからはいつてくる風にあおられて波のようにうねる映写幕には日露戦争の実況(?)が写つていた。 我々は観客席(といつてもそこ …