淡島寒月（あわしまかんげつ）
1859.11.17 〜 1926.02.23
著者としての作品一覧
江戸か東京か（新字新仮名）
読書目安時間：約13分
私が子供の時に見たり聞いたりしたことを雑然とお話しようが、秩序も何もありませんよ。その上子供の時の事ですから、年代などは忘れてしまってる。元治慶応明治の初年から十五、六年までの間で …
江戸の玩具（新字旧仮名）
読書目安時間：約4分
右は年代を寛政といふ人と文政頃といふ人とあり、原品は東海道亀山お化とて張子にて飛んだりと同様の製作にて、江戸黒船町辺にて鬻ぎをりしを後、助六に作り雷門前地内にて往来に蓆を敷きほんの …
活動写真（新字新仮名）
読書目安時間：約6分
日本の活動写真界の益々進歩隆盛に赴いて来るのは、私のような大の活動写真好きにとっては誠に喜ばしい事である。私は日本製のものは嫌いで見ないから一向知らないが、帝国館や電気館あるいはキ …
銀座は昔からハイカラな所（新字新仮名）
読書目安時間：約5分
今日でも「銀座」といえば何に限らず目新らしいもののある所とされていますが、以前「煉瓦」と呼ばれた時代にもあの辺は他の場所よりも一歩進んでいて、その時分の珍らしいものや、珍らしい事の …
寺内の奇人団（新字新仮名）
読書目安時間：約5分
水族館の近所にある植込を見ると茶の木が一、二本眼につくでしょう。あれは昔の名残で、明治の初年には、あの辺一帯茶畠で、今活動写真のある六区は田でした。これが種々の変遷を経て、今のよう …
諸国の玩具：――浅草奥山の草分――（新字新仮名）
読書目安時間：約6分
例の珍らしいもの、変ったもの、何んでもに趣味を持つ僕の事ですから、この間三越の小児博覧会へ行った。見て行く中に、印度のコブラ（錦蛇あるいは眼鏡蛇）の玩具があったが、その構造が、上州 …
凧の話（新字新仮名）
読書目安時間：約6分
凧の話もこれまで沢山したので、別に新らしい話もないが、読む人も違おうから、考え出すままにいろいろな事を話して見よう。 凧の種類には扇、袢纏、鳶、蝉、あんどん、奴、三番叟、ぶか、烏、 …
土俗玩具の話（新字新仮名）
読書目安時間：約3分
玩具と言えば単に好奇心を満足せしむる底のものに過ぎぬと思うは非常な誤りである。玩具には深き寓意と伝統の伴うものが多い。換言すれば人間生活と不離の関係を有するものである。例えば奥州の …
亡び行く江戸趣味（新字新仮名）
読書目安時間：約8分
江戸趣味や向島沿革について話せとの御申込であるが、元来が不羈放肆な、しかも皆さんにお聞かせしようと日常研究し用意しているものでないから、どんな話に終始するか予めお約束は出来ない。 …
梵雲庵漫録（新字新仮名）
読書目安時間：約7分
幼い頃の朧ろげな記憶の糸を辿って行くと、江戸の末期から明治の初年へかけて、物売や見世物の中には随分面白い異ったものがあった。私はそれらを順序なく話して見ようと思う。まず第一に挙げた …
明治十年前後（新字新仮名）
読書目安時間：約9分
明治十年前後の小説界について、思い出すままをお話してみるが、震災のため蔵書も何も焼き払ってしまったので、詳しいことや特に年代の如きは、あまり自信をもって言うことが出来ない。このこと …
我が宗教観（新字新仮名）
読書目安時間：約4分
御存じの通り私の父の椿岳は何んでも好きで、少しずつかじって見る人でありました。で、芸術以外に宗教にも趣味を持って、殊にその内でも空也は若い頃本山から吉阿弥の号を貰って、瓢を叩いては …