“暫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しばら71.0%
しば24.5%
しばらく2.4%
しばし0.9%
やが0.4%
やゝ0.2%
0.1%
しまし0.1%
しま0.1%
しまら0.1%
シバラ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちょうど翌年の夏にはイギリスがその流行に襲われたので、ケンブリッジ大学もしばらくの間閉鎖して、学生はみんな郷里へかえることになりました。
ニュートン (新字新仮名) / 石原純(著)
自分でそれと心づいたのは去年の春上野いけはたのカッフェーに始めて女給になってから、しばらくしてのち銀座へ移ったころである。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しばらく、道の上に立って、遠くに響く波音を聞き取ろうとした……何の音も聞えて来ない。人も来なければ、犬の啼声なきごえもしないのである。
薔薇と巫女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その容子ようすでは決してすれっからしの女でないことや、結婚したにしてもほんのしばらく、半年くらいしか男にふれないようなところがあった。
三階の家 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
拙者せっしゃ性癖有時吸之、若而人じゃくじじん之未能、いささか因循至今、唯しばらく酒当而已歟のみか
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
しばらく、死んだやうに倒れてゐた老婆が、屍骸のなかから、そのはだかの體を起したのは、それからもなくの事である。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
何処の誰の血を承けたか、口数はきかないが学才すぐれて、しばしの間に村長の子と威張る十一二の小供までも追い越して級第一の位を占めた。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
いつも御写真に向ひ候へば、何くれと当時の事憶出おもひだし候中に、うつつとも無く十年ぜんの心に返り候て、苦き胸もしばしすずしく相成申候。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
けれども、やがてその人たちも、劍の平蔵谷に、長次郎谷に、そのモニューメントを残して各々おのおの山人らしくこの世を去ってゆくのであろう。
案内人風景 (新字新仮名) / 百瀬慎太郎黒部溯郎(著)
停車場の食堂の入口で飲み始めたビールがやがてウイスキイに変る頃は十二時幾分かの汽車に乗るのがいやになって、一時三十五分の京都行に延ばす事にきめた。昨夜の名残もあるので、三人とも直ぐ真赤に酔った。
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)
居士之を聞て憮然たるものやゝひさしゅうす。
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
中食ちゆうじきはテストフてい料理店れうりてんはひつたが、こゝでもミハイル、アウエリヤヌヰチは、頬鬚ほゝひげでながら、やゝ少時しばらく品書しながき拈轉ひねくつて、料理店れうりやのやうに擧動ふるま愛食家風あいしよくかふう調子てうしで。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
客は皆な首を縮めて瞑黙めいもくす、御者ぎよしや鼻唄はなうたばし途断とぎれて、馬のに鳴る革鞭むちの響、身にみぬ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
美しき讃歌の声、固くとざせる玻璃窓はりまどをかすかにれて、暗夜の寒風にふるへて急ぐ憂き世の人の足をさへ、ばしとどめしむ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
また兄師木えしき弟師木おとしき三一を撃ちたまふ時に、御軍しまし疲れたり。ここに歌よみしたまひしく、
我、この船を押し流さば、ややしましいでまさば、御路みちあらむ。すなはちその道に乘りていでましなば、魚鱗いろこのごと造れる宮室みや、それ綿津見わたつみの神の宮なり。
無限てふことのかしこさ夢さめてなほしまらくを心慄へゐる
和歌でない歌 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
春晝しゆんちうの靜けきまゝにしまらくは狸のつらの澁きをよみ
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
縦令タトヘ然諾ゼンダクシテシバラ相許アヒユルスモ
武者窓日記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)