“暫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しばら72.5%
しば23.3%
しばらく2.2%
しばし1.0%
やが0.3%
やゝ0.2%
0.1%
しまし0.1%
しま0.1%
しまら0.1%
シバラ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(坊ちゃんが二、三人あったように記憶していたので)しばらくして、私たちの国語の教師には早大出の大井三郎と云うひとがきまった。
私の先生 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
九月のよく晴れた日の夕方、植木の世話も一段落で、錢形平次ぜにがたへいじしばらくの閑日月かんじつげつを、粉煙草をせゝりながら、享樂きやうらくして居る時でした。
その後の相談で決まったのは「一谷双軍記いちのたにふたばぐんき」とそれに「本朝二十四孝」それへ「しばらく」と「関の戸」を加えすっかり通そうというのであった。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いつも御写真に向ひ候へば、何くれと当時の事憶出おもひだし候中に、うつつとも無く十年ぜんの心に返り候て、苦き胸もしばしすずしく相成申候。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
けれども、やがてその人たちも、劍の平蔵谷に、長次郎谷に、そのモニューメントを残して各々おのおの山人らしくこの世を去ってゆくのであろう。
案内人風景 (新字新仮名) / 百瀬慎太郎黒部溯郎(著)
中食ちゆうじきはテストフてい料理店れうりてんはひつたが、こゝでもミハイル、アウエリヤヌヰチは、頬鬚ほゝひげでながら、やゝ少時しばらく品書しながき拈轉ひねくつて、料理店れうりやのやうに擧動ふるま愛食家風あいしよくかふう調子てうしで。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
吾妻はばし川地のおもてながめ居りしが、忽如たちまちあをりて声ひそめつ「——ぢや、又た肺病の黴菌ばいきんでもまさうといふんですか——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
また兄師木えしき弟師木おとしき三一を撃ちたまふ時に、御軍しまし疲れたり。ここに歌よみしたまひしく
無限てふことのかしこさ夢さめてなほしまらくを心慄へゐる
和歌でない歌 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
春晝しゆんちうの靜けきまゝにしまらくは狸のつらの澁きをよみ
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
縦令タトヘ然諾ゼンダクシテシバラ相許アヒユルスモ
武者窓日記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)