“涼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すず58.8%
すゞ19.8%
すずし10.7%
りょう5.3%
すゞし3.1%
すずみ2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして凝視ぎょうししているすずしいには深いかなしみの色がやどっていた。その眼で若者はさっきから一対いっついのおしどりをあかずながめていた。
おしどり (新字新仮名) / 新美南吉(著)
建續たてつゞいへは、なぞへにむかうへ遠山とほやまいて、其方此方そちこちの、には背戸せど空地あきちは、飛々とび/\たにともおもはれるのに、すゞしさは氣勢けはひもなし。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いつも御写真に向ひ候へば、何くれと当時の事憶出おもひだし候中に、うつつとも無く十年ぜんの心に返り候て、苦き胸もしばしすずしく相成申候。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
しかしすこしも遠慮や窮屈は知らないように、部屋いっぱいくつろいで坐りながら、大きく扇子をうごかして、ふところへりょうをとっていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、すべらしたしろを、若旦那わかだんなむねにあてて、うですやうにして、すゞしじつる。こびつたらない。妖艷無比えうえんむひで、なほ婦人ふじんいてる。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宗匠はそこですずみの会や虫の会を開いて町の茶人だちと、趣向を競った話や、京都で多勢の数寄者すきものの中で手前てまえを見せた時のことなどを、座興的に話して、世間のお茶人たちと
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)