“熟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
29.3%
じっ22.6%
じつ7.4%
7.4%
じゅく7.2%
じゆく4.0%
みの2.9%
よく2.1%
ぢつ1.9%
1.9%
1.6%
1.3%
つらつ1.3%
とく1.1%
つら/\1.1%
じツ0.8%
つく/″\0.5%
0.5%
うれ0.5%
つく0.5%
0.5%
よつ0.5%
ツラツラ0.5%
つくづ0.3%
うウ0.3%
こな0.3%
じく0.3%
つくづく0.3%
0.3%
とっく0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
木の上にゐた子供も下りて來て、取つたのを二人で分けながら、賄賂のつもりか、よくれてゐるのを擇つて、二つ三つ私に呉れた。
避病院 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
で、またとぼとぼと杖にって、向うりに、この姿が、階子段に隠れましたを、ると、老人思わず知らず、べたりと坐った。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
へてもたがい。風流人だと、くにも行儀があらう。それいた、障子けたのでは、めじろがとしてようがない。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
仕舞には話がこゝに書いてある通に、確かにつて、近処に住む老若男女共、皆なくその始終を知つて居るやうになりました。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
かなくても、ちているよ。」と、ちゃんは、このごろ、がよくして、ひとりでにちるのをっていました。
いちょうの葉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
事定りてのち寺に於て稽古をはじむ、してのち初日をさだめ、衣裳のるゐは是をを一ツのとするものありて不足なし。
また寸時も早く逃出でんと胸のみ轟かすほどに、やがて女はわが身を送出でて再び葡萄棚の蔭を過ぐる時れる一総の取分けて低く垂れたるを見
葡萄棚 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
はて、不思議だと思いながら、抜足をしてけて行くと、不意に赤児の泣声が聞えた。ると、其奴が赤児を抱えていたのだ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
まだてない便宜に、あからめもしないで二人つて、つて、ツのをぱつちりときした。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私が梅の実のえて落ちる音を好むのもつまりそれで、その音を聞くと、忽然として閑寂のふところに佗びの心持を味うことが出来るからである。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
みんなで楽しみにしていたその実がいくらたんとっても、残らず自分一人で食べてしまうから。誰にだって分けてやりあしない。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
自分は腕組みしてっとしていたが、我母ながらこれ実に悪婆であるとつくづく情なく、ああまで済ましているところを見ると、言ったところで
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
猟師の家にへ、をさをさ猟のにもけて、朝夕山野を走り巡り、数多の禽獣を捕ふれども。ら思へば、これなる不義なり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
いや、めて、と、見せてもらおうじゃが、まずこっちへ寄らしゃれ。ええ、今のの、気組みと、その。教えも教えた、さて、習いも習うたの。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
只今致方無御座、目黒の不動へ參詣致、命に替て祈願をこらし、晝夜入事に御座候。思慮仕候處、いづれなり奸女をたをし候外無望時と伺居申候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
や是と思出が幻のやうに胸に閃く。彼は其を心にへて置いて、と見詰めて見るだけのゆとりとてもなかツた……、閃めき行くまヽだ。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
しかしこれを思へば、自己の態度を極めることが不可能ではないかと疑ふ。わたくしは少くもこれだけの事を自認する。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
実のつた丹波王母珠ほど紅うして、罪も無き高笑ひやら相手もなしの空示威、朋輩の誰の噂彼の噂、自己仮声の何所其所で喝采を獲たる自慢
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
婆さんに聞いて見ると、頗る水気の多い、旨ひ蜜柑ださうだ。今にたら、たんと召し上がれと云つたから、毎日少し宛食つてやらう。もう三週間もしたら、充分食へるだらう。
坊っちやん (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
づくと鏡の面をめたが、半揷の水面に写ったのと少しの違いもない、「慥かにこれはおれだ、——が、これは決しておれの顔じゃない」
評釈勘忍記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
配達夫は、御用聞の小僧のやうなせた口調で、勢よく云つた後、逃げ出すやうに垣つゞきの路をけて行つた。
姉弟と新聞配達 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
だがねお八重さん、お定さんもだ、まあく考へてみるたね。俺は奈何でも構はねえが、彼方へ行つてから後悔でもする樣ぢや、貴女方自分のたからね。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
りしにば是は燕子花とある漢字よりおもひよせられしものなり考るに万葉七に墨吉之浅沢小野乃加吉都播多衣爾須里着将衣日不知毛又同巻にかきつばたに摺つけますらを
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
もう上下には言れますし、狭山と切れろ切れろのく成りましたのも、それからなので、私はさは辛し、くこんな家業は為る者ぢやないと
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼女の努力は、新らしい夫を叔父のような人間にしつけるか、またはすでに出来上った自分の方を、新らしい夫に合うように改造するか、どっちかにしなければならない場合によく出合った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
片端からして、枯れて
南洋館 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
「そんなになくつたつてらもきやしない老人のことをな」内儀さんはいつた。勘次餘計れた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
だ鍵盤にける梅子の横顔を、老女はくとながめ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
時次郎はし、「うむ、心臓小刀が。……」言懸けて照子をれば、釣って顔色く、唇はけり。召したる薄色の羽織の片袖血潵を浴びて滴る。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昼のうちにれていた田から、気持の悪いぬるい風が、ボー、ボー、と両頬に当って、後へ吹いて行った。歩いて行くのに従って、蛙が鳴きやみ、逆に後の方から順々に鳴き出した。
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
れて垂れて稲は刈られるばかり
行乞記:01 (一) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)